《生國魂神社》
543-0071大阪市天王寺区生玉町13-9/06-6771-0002
神武東征に際し天皇みずから石山碕(現在の大阪城を含む一帯)に日本国土の御神霊、すなわち八十島神である生島大神・足島大神を祀られ、国土平安を祈請された事に始まる大阪最古にして日本総鎮守の神社。八十島祭に代表される宮中祭祀の神社として、延喜の御代には難波大社とも尊称された。天正13年(1585年)豊臣秀吉の大坂城築城により、現在地に遷座。爾来、本殿は幣殿とひとつの屋根で葺きおろし、その上に3つの破風を据えた他に類例のない「生國魂造」という建築様式を継承し、桃山時代の威風を現代に伝える。明治4年には逸早く官幣大社に列せられ、また、毎年7月11日・12日には生玉・天満・住吉と続く、大阪三大夏祭りの魁「生國魂祭」が盛大に齋行される。
《参考》彦八まつり
http://www.kamigatarakugo.jp/hikohachi.html
大阪落語の始祖・米澤彦八の名を後世に残すために、彦八が活躍した生國魂神社の境内に、平成2年に『彦八の碑』を建立した事が始まりです。翌年より、その碑を上方落語の象徴として、年に一度、上方落語家が一堂に会し、上方落語ファンをはじめ、一般の方々と交流を深め、大阪の伝統芸能として身近な上方落語を広くアピールし、その更なる発展と後世への継承を目的として、【彦八まつり】 は開催されて来ました。毎年、《落語家おもしろ屋台》《種々の芸能の奉納》等で、境内は賑わいます。“年に一度の落語家の文化祭&ファン感謝デー!”であるこのまつり、落語ファンの方もそうでない方も、是非一度お越しいただき、お楽しみください。
《浄瑠璃神社》
http://www.city.osaka.lg.jp/tennoji/page/0000000248.html
生國魂神社に境内社は11社あるが、それぞれ祭りが催される。浄瑠璃神社は文楽関係物故者を祭神とし、毎年春分・秋分の日が例祭日である。大阪文楽協会から多数参拝して、文楽の発展と加護が祈願され芸道の神として崇敬されている。
《参考》2013.2.15大阪日日新聞より
芸の神様になった芝右衛門狸/文:亀井澄夫(日本妖怪研究所所長)
日本の三大狸(タヌキ)といえば、佐渡の団三郎狸、香川屋島の禿(はげ)狸、淡路洲本の芝右衛門狸である。この芝右衛門狸は無類の芝居好き。江戸時代の初め頃、淡路から芝居でにぎわう道頓堀へとやってきた。芝居小屋の「中座」へ通うようになったが、係の者が毎日の売上金に木の葉が交じっているのを不審に思い、犬を入り口に置いてみた。いつものように芝右衛門が小屋へやって来ると、狸の苦手な犬がいる。なんとか通り過ぎようとしたが、隙をついて芝右衛門に犬がガブリ。狸の正体を現して、さんざん追い回され、ついには殴り殺された。この話は淡路島にも届き、最近、芝右衛門の腹鼓が聞こえないのはそのためかと、仲の良かった人々は芝右衛門の死を悼んだ。それから奇怪なことに、中座の興行成績がガタリと落ちた。これは狸の祟りに違いないと、初代の片岡仁左衛門が中座の奈落に芝右衛門狸を八兵衛大明神として祀ったところ、客がまた来るようになった。以来、八兵衛大明神の祠は芸道の神様として、役者たちがお参りするようになったのである。さて、ここからが本題。平成11年の中座閉館にともない、大阪最古の神社である生國魂神社と淡路洲本八幡神社に八兵衛大明神の分霊が遷されることになった。平成11年11月1日に八兵衛大明神遷座合祀祭が行われ、生國魂神社の摂社である源九郎稲荷神社に合祀された。源九郎稲荷とは奈良県吉野の源九郎稲荷の分祠であるから、狐と狸が祀られていることになる。では、どうして分霊したのかと言うと、350年以上も続いた芸道の神、八兵衛大明神はすでに大阪の文化としてしっかり根付いていたからである。大阪の芸の神はやはり、大阪に鎮座するのがよかろうと私も思う。この芝右衛門狸の伝説を知っている人は、芝右衛門としてお参りすると思うが、大阪では八兵衛大明神の名前が一般的だろう。また、文楽の物故者を祭神として祀る浄瑠璃神社や、生國魂神社で4千句を矢数俳諧した井原西鶴の像や、彦八まつりで有名な上方落語の祖、米沢彦八の顕彰碑など、大阪の文化を境内のあちこちに見ることができる。生國魂神社は、何度も焼失や損壊の憂き目に遭っているが、その都度、民間人が私財を投じて再建してきた。空襲で焼けたときなどは、日本人の団結の力を最も恐れるGHQを尻目に、大阪人は力を合わせて、自分の家より先に大阪文化の象徴、生國魂神社を再建してしまった。だから小さく見えても、文化の継承を守るという意味で、八兵衛大明神をそのまま還さず生國魂神社に分霊したことは、いかにも大阪らしいと思えるのだ。
・・・「真言坂」、見事な坂です。
・・・「いくたまさん」は数えきれないくらいお参りしていますが、「生玉公園」を散策するのは初めてです。