・・・これまで関心を持って眺めてきた多くの建築が、とても有名な「左官」の仕事であったことを知り、再認識・再確認しつつ、あらためて紹介していきたいと思います。
◆2001【上方浮世絵館】◆
542-0076大阪市中央区難波1-6-4/06-6211-0303
当館は、私設美術館ではありますが、世界で唯一の上方浮世絵を常設展示する美術館として、上方の歌舞伎や浮世絵にゆかりの深い、大阪道頓堀 法善寺の門前に★2001年4月28日にオープンいたしました。浮世絵(錦絵)といえば、江戸で制作されたものと思われる方が多いようですが、上方でも相当な数の浮世絵が制作されていました。
海外では上方絵も一定の評価を得ており、ゴッホが数点所有していたり、大英博物館やカリフォルニア博物館などに多数所蔵されるなど、収集家・研究者もかなりの数にのぼります。この上方の浮世絵を、我々の手で、上方浮世絵に描かれたそのものが生きていたこの場所に復活させたい・・・その想いひとつで、この美術館をつくりました。浮世絵は江戸時代の大衆が見て楽しみました。その楽しみを、現在の私たちが共有できる喜びを分かち合いたいと思っております。ぜひご来館いただき、ゆっくりと楽しんでいってください。
★設計デザイン《美術工房アートワーク「ポットマン」》代表:冨永泰雄
http://www.artworkpotman.com/#!kamigata-ukiyoe/c13xt
限られた空間の中でその存在をアピールする。周囲の無表情なビルに対し決定的な 印象を与える。そのイメージは大きく、優しく、美しい建築物である。サインが乱立し建物自体の存在が消されている中で、その建物全体が大きなサインとなり、新たなインパクトを与えることができる。角を取り建物全体を一つの塊として見せる、縦のラインを 強調することにより、より高さを感じさせる。また壁面をアール(曲面)にし、それが連続する形は柔らかく脹らむバルーン(気球)をイメージし、建物に浮力を与え、重厚感を取り除く。4F以上の階は斜線制限の為かなりの容積が削られる。下からのラインを壊さず、建物全体の方向性を南に定め、北から南に向けて緩やかなラインで全体の形を閉じる。
【左官的塾の会】主宰:久住章
http://home.p06.itscom.net/sakan/index.html
左官に関する技術の継承と開発・向上により、左官業界のみならず設計・建築・デザイン・建材・工具、さらに教育までの関連業界へ寄与し、日本文化の向上に貢献することを目的とします。具体的には「左官的塾web」を主体として、次のことを目指します。・左官壁の普及・新しい技術・技能の創出・後継者・人材育成・関連業界との相互発展、左官的塾の会の活動運営費は、会費・寄付金から充てたいと考えます。会員申込など詳細は、「会員募集のお知らせ」ページをご欄ください。趣旨をご理解いただき、会の活動を応援していただきますようお願い申し上げます。
《久住章》
1948年(昭和23)兵庫県淡路島生まれ。18歳で長兄について左官の修業を始め、京都の数寄屋左官・卯田惣二氏に弟子入りして聚楽壁を習う。かたわら左官組合から呼ばれるまま、講師として全国を巡る。33歳のころ、業界誌『左官教室』の編集者・小林澄夫氏と出会い、東京の若手建築家らを紹介される。建築家と組むことで、これまでに培った数々の技術が開花することになった。36歳のとき、ドイツ、アーヘン工科大学の教授を紹介されたのを機に、アーヘン工科大学の夏期講師となる。以後、世界各地を訪れ、土壁の建築を見て歩く。そうした経験に裏付けられた技術と独特の新しい感性で多くの建築を手掛け、近年「カリスマ左官」と呼ばれている。これまでの業績に対して、1984年兵庫県技能顕功賞、95年には早稲田大学の学生に造らせたゲストハウスで吉岡賞、さらに99年、日本建築学会文化賞を受賞している。軽装で全国の現場を飛び回り、新しい夢の実現に邁進する現在である。★象設計集団との仕事が多く、ドーモ・キヴァ(徳田邸)、特別養護老人ホーム葛飾の家、高橋建設社屋、十勝ビール、ドーモ・キニャーナなどがある。
《参考》1995「久住章のゲストハウス(淡路市釜口)」設計:ワークショップ
http://arc-no.com/arc/hyogo/hyo-kuzumi11.htm
久住さんと早稲田大学の学生数人が共同で立ち上げた住宅、吉岡賞をとった作品です。イギリスの「世界の建築百選」に掲載されたり、アメリカの「ジャパン・モダン」でも紹介され、ニュ-ヨ-ク・テレビが取材にもきた有名な建物です。が、2009年12月クリスマスの日に解体されました、お疲れさん。
《参考》象設計集団
1971年★吉阪隆正の下にいた大竹康市と樋口裕康、富田玲子、重村力、有村桂子の5名によって発足された。代表作品には、日本建築学会賞を受賞した沖縄県の名護市庁舎がある。私たちが日頃、最も大切にしている事柄「7つの原則」・・・です。
1.場所の発見・・・建築がその建つ場所を映し出すことを望んでいます。
2.住居とは何だろう?学校とは?道とは?・・・人々と共に考え、新しい生活のしかたを提案していくことが象の仕事の重要な部分となります。
3.多様であること・・・私たちは計画する空間の中に形態、素材、スケールの多様性とそれらを結びつける秩序を用意します。
4.五感に訴える・・・光と影、音、香り、手ざわりや足ざわり、運動感覚を通じて空間の特性を感じ取り、さらにその外の世界とのつながりに心を向けてほしいと願うのです。
5.自然を受けとめ、自然を楽しむ・・・季節の移ろいに対する感受性を高めるような空間をデザインしたいのです。
6.あいまいもこ・・・建築か庭か街か、内部空間か外部空間か、・・・。
7.自力建設・・・自らの地域を自らの手でつくり上げていく哲学です。
《Team ZOOいるか設計集団》
650-0024神戸市中央区海岸通3-1-5★海岸ビルヂング3F/078-332-4902
http://www.atelier-iruka.jp/about.html
1978年8月:Team ZOO 象設計集団神戸アトリエとして発足。1981年2月:いるか設計集団に改名。
★海岸ビルヂング/兼松房治郎が創業した貿易会社兼松商店(現兼松の前身)の本店として建設された。設計は海岸ビルや奥平野浄水場旧急速濾過場上屋、神戸地方裁判所、旧小寺家厩舎(国の重要文化財)などを手がけた★河合浩蔵。竣工当時は、1階全体が兼松商店の事務所に充てられ、2階以上は貸事務所となっていた。現在1階のブティックのインテリアなどに、兼松商店事務所時代の面影が残る。コーニス上に巨大なペディメントが載せられ海岸通で最も壮麗な建築物の一つと称されていたが、戦災で失われた。内部、吹き抜け天井に色鮮やかなステンドグラスが飾られている。夜間は日没から22時までライトアップされる。
《参考》象設計集団のいろはカルタ「空間に恋して」Love with Locus
沖縄の神と人が交信する場所「アサギ」を活かした名護市庁舎、台湾の冬山河親水公園と宜蘭懸庁舎、十勝の氷上ワークショップ…。場所に始まり場所に還る建築を造り続ける、象設計集団33年の全容。
・・・素敵なタイトル、実際の建築を訪問できないのでせめて、購入しました。
《久住有生》
左官株式会社107-0062 東京都港区南青山6-6-25/03-6427-4841
http://www.kusuminaoki.com/index.html
1972年(昭和47)兵庫県淡路島生まれ。祖父の代から続く左官の家に生まれ、3歳で初めて鏝を握る。高校3年生の夏に、「世界を観てこい」という父・久住章の勧めで渡欧したスペインにて、アントニ・ガウディの建築を目の当たりにし、その存在感に圧倒され開眼、左官職人を目指す。日本に戻り、左官技術を学ぶべく18歳からさまざまな親方の許で、本格的な修行を始める。1995年、23歳の時に独立し「久住有生左官」を設立。重要文化財などの歴史的価値の高い建築物の修復ができる左官職人として、国内だけにとどまらず、海外からのオファーも多く、経験を積んできた。伝統建築物の修復・復元作業だけではなく、商業施設や教育関連施設、個人邸の内装や外装を手がけることも多い。現場では企画段階から参加することが多く、デザイン提案なども積極的に行っており、伝統的な左官技術とオリジナティ溢れるアイデアが、国内外での大きな評価につながっている。また、どの現場でもその土地の暮らしや自然を意識しながら、土や材料を選び、ときには地元の暮らしの調査をしてから工事に入るなど、それぞれの風土も大切にしている。通常の仕事の他にも、日本の左官技術を広く伝えるべく、ワークショップや講演会を積極的に国内外で開催している。施工作品として、2014年10月★「竹中大工道具館」新館(兵庫県神戸市)、2013年3月★「旧桜宮公会堂」※国登録重要文化財(大阪府大阪市)、2012年11月★「ジェームス邸」※神戸市指定文化財(兵庫県神戸市)、2012年10月★「船場ビルディング内店舗」(大阪府大阪市)などがある。
◆2014【竹中大工道具館】◆
651-0056神戸市中央区熊内町7-5-1/078-242-0216
・・・世界的な左官職人「久住有生」さんの仕事を観ていきましょう。