2015年9月
上から見ると、ドーナツ状に扇形の教室が配置されている。さらにその内側に廊下と階段がある。屋根はドーム形状・階段は螺旋階段になっているものが多い。建物の外周に廊下が配置されているものもある。その多くが1950年代後半に建てられ、最盛期には全国で約100棟ほど存在した。
1954年に最初の円形校舎が竣工した。富士見中学・高等学校に建てられたものは世界でも最初のものとされ、日本はおろか、外国の報道機関までもがヘリコプターで上空から取材をしたという。1950年代後半になると各地で円形校舎が建てられた。しかし、1960年代前半になると採用が少なくなり、1960年代後半になるとほとんど新築されなくなった。
1990年代以後には、少数ながら、従来の外観・構造にとらわれない様々なタイプの円形校舎が建てられるようになってきた。そして今、その多くが築50年以上を経て老朽化が進んでおり、解体・廃校により確実にその数を減らし、もはや絶滅危惧種である。
そして今年の夏、羽曳野市立誉田中学校「円形校舎」が、とうとうその姿を消してしまいました。
・・・惜しむように、誉田の地車が村中を駆け巡りました。さよなら「円形校舎」お疲れさん。