・・・「びーどろ」「ガラスの眼球」に続いて、私を虜にしたのは「ラムネ」でした。子どもの頃から「ビー玉」「おはじき」に親しんできましたし、夜店と言えば「ラムネ」でした。そんな郷愁を誘う「ラムネ」の瓶も「ペットボトル」に変わりつつあり、ガラスの瓶を見つけると宝物のように思えるのです。
・・・ガラスの瓶ですが、口の部分だけプラスチック製のものがあります。たぶん洗浄して再利用(リターナブル)するための工夫だと思いますが、子どもにとっては最高のアイデアです。中の「ビー玉」が簡単に取り出せるのですから。
【ラムネ】
水に砂糖やブドウ糖果糖溶液といった糖類を加え、酸味料や香料(フレーバー)を用いてライムやレモンの香りをつけた甘い炭酸飲料で、特定メーカーのブランド商品ではなく、一般名詞的に複数のメーカーから発売されている。清涼な風味のほか、独特の形状をしたガラス瓶の清涼感もあいまって、夏の風物詩として長く親しまれてきた。
●大日本帝国海軍の艦艇においては、消火設備として炭酸ガス発生装置が設置されており、これを転用してラムネ製造器として乗組員の嗜好品として供給した事も相まって、戦前から広く庶民に親しまれた。
●ラムネという名称は、イギリスからもたらされたレモネードが転訛したもの。独特な瓶の意匠もこのとき同時に持ち込まれたもので、明治初期に神戸旧居留地のシム商会が日本で初めて製造と販売を行なった。明治5年5月4日には日本人に初めてラムネ製造の許可が下り、のちに5月4日は「ラムネの日」となった。1995年には日本ラムネ協会が設立された。
●1872年にイギリスのハイラム・コッドが特許を取得した瓶が元になっており、コッドネックボトルと呼ばれる。この特有の瓶とほぼセットの形で知られている商品であり、かつては代表的な炭酸飲料として広く飲まれていたが、ガス圧に抗して瓶に王冠で栓をする技術の普及や、缶飲料の登場で、シェアは小さくなっている。それに伴い、専用瓶のメーカーも少なくなった。発祥の地であるイギリスでは、すでにこの瓶は店頭から姿を消している。瓶には、上から5分の2ほどの位置にくびれが設けられており、口とくびれの間にラムネ玉と呼ばれるガラス球が封入されている。この瓶に飲料を充填し、間髪を入れずに瓶をひっくり返すと、内部の炭酸ガスの圧力でラムネ玉が口部のゴムパッキンに押し付けられ、瓶が密閉される。すなわち、炭酸飲料の内圧だけを利用して密封する仕組みであった。金属やコルクの栓を使う普通のガラス瓶飲料と異なり、栓まで含めてリサイクルが可能なリターナブル容器ということになる。瓶は洗浄して再使用され、状態にもよるが、平均で25回使用されるといわれる。しかし実際には子どもたちがラムネ玉目当てに瓶を破壊してしまうことも多かった。またラムネ玉があるために、タバコの吸殻を始めとした異物が入っている場合に、洗浄が非常に困難になるという問題もある。中身を飲む際は、瓶の口を密封しているラムネ玉を瓶内に押し込み、内圧を逃がすことで開栓する。
●長らく木製の押し込み用具(玉押し)が販売店頭などに置かれていたが、1980年代以降、開栓用の凸型をしたプラスチック製の器具「ラムネ開け」(玉押し)を添付して販売するのが主流となった。この「装着型のラムネ開け」(玉押し)は、販売時にはラムネ玉が押し下げられないようにリングを挟む形で容器上部に装着されており、開栓時にリングを外して再び容器の口に取り付け直接ラムネ玉を押し下げることで開栓する。開栓時には同時に容器の口を抑え込んでおかないと中身が吹き出すことがある。なお、開栓の際に瓶を斜めに傾けると、泡を出さずに開けることができる。ラッパ飲みやコップに注ぐ際に瓶を傾けると、押し込まれたラムネ玉が再び上がって口を塞いでしまうことがあるが、多くの瓶には口の手前にくぼみが付いており、そこに玉を引っ掛けるとこれを防ぐことができる。
●瓶製造は、広口に成型しておいた瓶にラムネ玉を入れてから口を熱してすぼめるという工程がとられる。2000年代では、洗浄しやすくするために瓶口がプラスチックとなり、中のラムネ玉を取るために口の部分を通常とは違う右回り(時計回り)にひねっていくと、口部キャップが外せるようになっている(スクリューキャップ)。2000年代では使い捨てのPET容器のラムネも登場している。ゴミ分別のため、やはり容易に口部を外してガラス玉を取り出せる構造になっている(スクリューキャップ)。このような口部のキャップを外すことが可能な商品の場合にはラムネ玉の誤飲を防ぐため、飲み終わってから外すよう注意表示が記されていることが多い。
●因みにラムネ玉(エー玉)(A玉)の規格外のものがビー玉(B玉)であるという俗説があるが、根拠は示されていない。また、言語学では完全に否定されている。語源由来辞典では、ビードロ玉(vidro、ガラス)からとしています。ビー玉遊びは明治中期から流行したとされ、ラムネ瓶の中に入っているガラス玉をラムネ玉と呼ばれていたのが、ビードロ(ポルトガル語)玉を略してビー玉に落ち着いたという説です。
●ラムネはびん詰めコーヒー飲料、豆腐等と同様、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律(中小企業分野調整法)に基づき中小企業に独占的に生産されており、大企業は製造に参入できない。
●ラムネの定義は、「瓶の口をビー玉で塞いだ炭酸飲料」全般をさし、ビー玉の代わりにキャップで蓋をしたものが「サイダー」と呼ばれてます。ようするに入っている容器(栓)の違いだけのようです。
・・・こんな「一輪挿し」はいかがですか。
・・・ペットボトルの容器ではありますが、「クレパス」が「ラムネ」になるなんて、スゴイですよね。
【浮き玉】
中が空洞となっている球状の漁具。漁網を浮かせる目的や目印として、真珠の養殖でも用いられる。特に、ガラス製のものは、ビン玉と呼ばれることもある。日本における漁業用浮き玉は従来は木製で、明治・大正時代のニシン漁の際などに活用されていたという。その後、ガラス製のものが誕生し普及した。ガラスの吹き玉が盛んだった小樽にある★浅原硝子製造所への、水産試験場からの依頼(明治43年製造開始)がルーツという説がある。マグロの延縄漁にも用いられたが、需要も減少。プラスチック製の浮き玉(オレンジ色などのブイ)やラジオブイに移行していった。三重県志摩市浜島町浜島の海岸沿いには、「びん玉ロード」があり、照明の外装として再利用されている。海辺などにおける飲食店(喫茶店やスナック)でも、ガラス製の浮球(すなわちビン玉)を利用した照明が置かれていることがあるという。三陸などでは、ビー玉風の小さなビン玉を用いたストラップが販売されている。
・・・夏の風物詩「風鈴」も、ガラスですね。