・・・「阿騎野・人麻呂公園」(拾生76-1)の近くに「又兵衛桜」(大宇陀本郷)があります。季節はずれだからこそ、行ってみました。
日本一のシダレ桜と称される又兵衛桜ですが、20数年前は地元でもあまり騒いでいませんでした。ところが又兵衛桜の写真がコンクールで優勝したとのことで急ブレイク。その後、2000年のNHK大河ドラマ★「葵・徳川三代」のオープニング画面で使われた事がきっかけになります。その後、多くの観光客が訪れるようになりました。当時周りは田んぼ。その田んぼが踏み固められてしまったり、近辺に駐車場もなく、道路も狭いため大渋滞となったり問題が発生しました。そのため急遽周辺の公園化推進が行われ、3年間の工事の結果、今の姿に。完成当時は下段の石垣が新しいため風情がなくなりガッカリしたものですが、最近は苔むしてきていい感じになっています。ちなみに、夜桜ライトアップも当初は素人仕事で真下からの照らし上げたもののイマイチでしたが、改めてプロの演出家に設計してもらい現在の形に。さくらの美しさが最高に演出されています。
この一躍有名になった又兵衛桜は大坂夏の陣で活躍した又兵衛にちなんで名づけられました。「本郷の瀧桜」とも言うようですが「又兵衛桜」と呼ばれるのが一般的です。又兵衛は戦いに破れここ大宇陀の地で僧侶になり、姓を後藤と名乗って余生を過ごしたという伝説があります。この地には後藤の性を名乗る家が数件あり、この場所も後藤家の屋敷跡です。この兵衛桜の樹齢はなんと300年以上。これだけの老木にもかかわらず、この桜は毎年美しい花を咲かせ人々を魅了します。石垣から勢いよく飛び出し、生えている位置より下に枝が伸びている木もなかなか珍しいのではないでしょうか。
・・・なんだか懐かしいお爺ちゃんに、久しぶりに会いに来たという気分、そこで和尚さんにも会いに行こうと思います。
【松源院】宇陀市大宇陀迫間350/0745-83-0384
京都大徳寺「如意庵」の立花大亀(1899~2005)和尚が、昭和55年(1980)、大宇陀の大庄屋であった山岡家の住宅(県指定文化財)を譲り受けて、明治初期に廃仏毀釈で廃絶した大徳寺(臨済宗)の塔頭「松源院」をこの地に再興しました。屋根裏には、坐禅道場があり、禅の修行の場となっているそうです。
◆【大亀和尚民芸館(旧松源院民芸館)】◆
633-2166奈良県宇陀市大宇陀迫間422-1/0745-83-3867
http://www.daiki-mingeikan.or.jp/
大徳寺「如意庵」の元住職、立花大亀師が昭和55年大宇陀町(現:宇陀市大宇陀)に松源院(元大徳寺塔頭(別院)を再興しました。そのとき、同師が所持する墨蹟、茶道具などの美術品および民具などを永久保存するとともに、広く一般に公開して美術品の鑑賞・学術研究の資とし、文化の振興に寄与することを願って、(財)松源院民芸館を設立しました。同師の遷化(平成17年)ののち、地区民の教化、県指定文化財山岡庄屋の保存(松源院の復興)、清泉庵の開創などの地域への(同師の)貢献を記念するため、本館の名称を「大亀和尚民芸館」に改めました。
・・・いろいろミュージアムを巡ってきた中でも、ここは予想以上の展示内容で、ボランティアの方々の努力で整備が行き届き、周囲の環境も含めて必見です。