◆【京都工芸繊維大学・美術工芸資料館】◆
美術工芸資料館は昭和55年学内共同教育研究施設として設立され、本学前身の京都高等工芸学校創設時(明治35年)から教材として収集してきた資料を所蔵し、所蔵資料について教育研究を行い、さらに展示を目的とする施設です。美術工芸資料館所蔵資料の内容は絵画、版画、彫刻、陶磁器、金工、漆芸、染織品、考古資料、文献資料、建築図面など多岐にわたり、その数は約4,700件(約44,000点)にも及んでいます。その中には明治洋画壇の巨星であり、京都高等工芸学校の図案科教授でもあった浅井忠の「武士山狩図」やヨーロッパ近代ポスターのコレクション、古今の裂地資料など、芸術的、学術的あるいは歴史的に高く評価されるものも少なくはなく、学外者の展観や全国の美術館などからの出品依頼も少なくありません。最近の資料収集では建築家★村野藤吾が手掛けた建築設計図面があり、これについては内外から熱いまなざしが注がれています。本館の所蔵する資料の価値を更に広く内外に発信するために、研究成果を蓄積し、多様な形で公開しています。
○「まねる・まねぶ・まなぶー複製にみる教育と保存ー」
2015.01.13~2015.02.28
京都工芸繊維大学アートマネージャー養成講座2014年度生の企画による展覧会「まねる・まねぶ・まなぶー複製にみる教育と保存ー」をお届けします。この講座は、文化庁の助成を受けて進めているもので、美術館・博物館の学芸員への就職を希望する受講生が、「展覧会をつくる」ことの過程を実体験することにより、学芸員として必要なスキルを身につけることを目的としています。2014年度は、10名の受講生が、展覧会を企画・構成し、展示作業はもちろんのこと、カタログの作成から広報活動にいたるまで、力を合わせて挑戦しています。2014年度生は「複製」をテーマに以下のような展覧会を企画しています。どのような展覧会にすれば多くの方々に楽しんでもらえるのか、という課題に対する受講生たちの手探りの成果をお楽しみください。<複製>と聞いて、なにを思い浮かべますか。「盗作」?「贋作」?「イミテーション」?<複製>に対してネガティブなイメージばかり持っていませんか。しかし、そうでは ありません。美術の世界において<複製>は昔から重要な役割を担っています。本展では<複製>のポジティブな側面、特に「教育」と「保存」を中心に、さまざまな<複製>を紹介します。ネガティブなイメージに留まらない<複製>を楽しんでいただけましたら幸いです。
○これからの、未来の途中―美術・工芸・デザインの新鋭11人展
2015.1.13~2015.2.28
新人クリエイターの成長に必要なものは何か?この問いかけとともに「未来の途中プロジェクト」は2013年度よりスタートしました。このプロジェクトでは、作品発表の機会、作品についての批評を受ける機会、作品について自ら思いを語る機会、同世代のクリエイターと議論を深める機会など、クリエイターの成長を促すきっかけの場を提供してきました。京都工芸繊維大学美術工芸資料館では、今年度新たに、公募審査ならびに推薦によって選ばれた11人の新人クリエイターを迎え、「これからの、未来の途中―美術・工芸・デザインの新鋭11人展」開催します。絵画、彫刻、写真、陶芸、染織、プロダクト・デザイン、グラフィック・デザインと多岐にわたる、いずれも20歳代30歳代の若手作家11名の瑞々しい表現が並びます。日本のクリエイティビティの次代を担うであろう者たちが、自己充足した閉塞的な状況に閉じこもることなく、作品制作と発表を通して、作家同士あるいは作り手と受け手が繋がる場として、この展覧会が機能することを願っています。若さゆえの冒険と脆さが同居するこれら11人の創造行為は、鑑賞者の皆さまからの率直なご意見、ご批評を待っています。 これからの未来へと向かう彼ら11名のクリエイションを、鋭い眼差しを持って、存分にお楽しみ下さい。本展覧会は、文化庁平成26年度助成「大学美術館を活用した美術工芸分野新人アーティスト育成プロジェクト」の一環として開催されるものです。
・・・「建築」の修士論文・展覧会を観れてラッキーでした。
◆「すじかいまど」作:堀内正和(1911~2001)
1911年京都生まれ、東京高等工芸学校(現千葉大学)彫刻科を中退。二科会の番衆技塾で学ぶ。1947年二科会会員となる(66年退会)。戦前期から活動を始め、旧来の彫刻造形に疑問をいだき、長い間、孤独な試作を続けた。1963年第6回高村光太郎賞、1969年第1回現代国際彫刻展(箱根彫刻の森美術館)大賞、1970年第2回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で神奈川県立近代美術館賞を受賞。日本における現代彫刻のパイオニアであり、その幾何学的な形態の作品は、知的空間構成とユ-モアに富み国際的にも高い評価を獲得した。2001年死去。没後、神奈川県立近代美術館の鎌倉館で回顧展が開催され、あらためてその大きな足跡が人々に大きな感銘を与えた。
・・・大学ミュージアムは、キャンパスを満喫できるのでいいなあ。