★来春閉校する室蘭・絵鞆小の円形校舎1棟保存へ
http://www.muroran.iburi.ed.jp/~etomo/
来年3月末閉校する室蘭市絵鞆小学校(中塚洋司校長、217人)の円形校舎1棟が保存されることになった。市教育委員会は、同小付近一帯の「絵鞆貝塚」から出土した縄文土器などの展示や、市内旧小・中学校の沿革を紹介する教育分野の複合施設としての活用を検討している。円形校舎は、狭い敷地に少ない建築材料で、より広い床面積を建築できる経済性の高いデザインとして、戦後復興期に全国各地で建設されたが、現存は数少ない。絵鞆小は桜が丘小、武揚小との学校統合により来年3月末に閉校するが、ここ数年は、卒業生や建築関係者らの校舎見学が増加し、ドラマのロケ地になるなど注目されている。市教委は「外観に特徴があり、歴史や文化的にも貴重で価値がある」と保存理由を説明する。校舎は鉄筋コンクリート造り3階建ての3棟。このうち保存される校舎は、耐震強度があり、らせん階段が特徴の1958年(昭和33年)建築の東棟。ここに絵鞆貝塚はじめ、市内各地の遺跡から出土した縄文時代をはじめとする土器や石器、すでに閉校した市内小・中学校の古い写真や校旗などを展示する予定だ。3階に体育館がありドーム型屋根が特徴の西棟(1960年建築)と、円形ではない一般校舎(1977年建築)の存廃については検討中。絵鞆小と統合する、桜が丘小と武揚小の校舎や体育館に関しても検討中だ。
・・・「円形校舎」が保存されるという嬉しいニュースもあります。しかし、学校そのものが閉校になるわけですから、喜んでられませんよね。
・・・「円形校舎」にこだわるのは、私の住んでいる校区に現実に存在しているからです。そして、私の子どもたちの母校なのです。
★羽曳野市立誉田中学校
583-0857羽曳野市誉田6丁目5-37/072-955-4765
http://www.city.habikino.lg.jp/jhs/koncyu/
昭和30年代に流行した円形校舎を有している。1957年に竣工。した4階建てでドーム屋根の、円形校舎としては標準的な外観構造である。外観(特に屋根およびアルミサッシ化されていない3階部分)は老朽化が進行している。円形校舎の4階では柔道や剣道が行われてきた。円形校舎は2015年までに解体される予定。学校は旧東高野街道に面している。街道沿いにある敷地は手狭になっており、少し東の西名阪自動車道脇(柏原本線料金所の南)に第二グラウンド(通称:新グラ)がある。周囲は閑静な住宅地となっている。近隣に誉田御廟山古墳(伝応神天皇陵)、誉田八幡宮がある。
・・・いろんな意味で実情を知っていますので、単純に「維持存続」を訴えるつもりはありませんし、「円形校舎」だけを残したところで、少しも教育的だとは思えません。
・・・解決しなければならない課題は山積していますし、もっと真の意味で豊かな教育と環境が保障されない限り、「円形校舎」は単なる飾り物でしかありません。結局のところ「維持管理」「経済面」「安全面」が優先されていくわけです。
【参考】茶山遺跡/応神天皇陵(誉田御廟山古墳、全長425mの前方後円墳、5世紀前半築造)の東側そばの市立誉田中学校校庭(羽曳野市誉田6-5)で、市教委の発掘調査により古墳時代中期(5世紀前半)の水鳥や家、椅子、冠、馬、甲冑などを模った埴輪片、円筒埴輪など数百点に上り見つかった。円筒埴輪をモデルにした棺(長さ約1m、直径約50cm)や鉄斧なども出土した。
・・・残したいことは多くあります。しかし、何のため誰のために、そしてどのような未来を描くのか、自分自身が問われています。だから、まず目の前の現実を見つめ、日々「巡って」いるわけです。