・・・トノサマガエルの調査は一区切りつきましたので、モリアオガエルについて情報提供します。
モリアオガエル(森青蛙)
学名:Rhacophorus arboreus/両生綱無尾目アオガエル科アオガエル属
日本の固有種で、本州と佐渡島に分布する。離島については、伊豆大島に外来種として移入分布している。四国と九州の分布ははっきりしていない。体長オス4-7 cm、メス6-8 cmほどで、メスの方が大きい。指先には丸い吸盤があり、木の上での生活に適応している。背中側の地色は緑だが、地方個体群によっては全身に褐色のまだら模様が出る。また、体表にはつやがなく、目の虹彩が赤褐色なのも特徴である。ニホンアマガエルやシュレーゲルアオガエルと似ているが、モリアオガエルはより大型になる。また、ニホンアマガエルとは目から耳にかけて黒い帯模様がないこと、シュレーゲルアオガエルとは虹彩が赤っぽいことで区別できる。
モリアオガエルの生活史の特性は、特に産卵生態によって特徴付けられる。カエルは水中に産卵するものがほとんどだが、モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝などに粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産みつける。泡の塊の中に産卵する習性は多くのアオガエル科のカエルで共通しているが、モリアオガエルは産卵場所が目立つ樹上であること、日本本土産のアオガエル科のカエルでは他に泡状の卵塊を形成する種が地中産卵性で小型のシュレーゲルアオガエルしかいないこともあって特に目立った存在となっている。繁殖期になると、まずオスが産卵場所に集まり、鳴きながらメスを待つ。メスが産卵場所にやってくるとオスが背中にしがみつき、産卵行動が始まるが、卵塊の形成が進むに連れて1匹のメスに数匹のオスが群がる場合が多い。モリアオガエルは各地で生息数を減らしている。おもな理由は生息地の森林などに人の手が入り、環境が変化したことによる。産卵のためには水面上に木の枝がせり出すような湖沼が必要だが、このような場所も少なくなった。
福島県双葉郡川内村平伏沼(へぶすぬま)の繁殖地、また岩手県八幡平市の大揚沼モリアオガエルおよびその繁殖地が国指定の天然記念物と指定されている他、各自治体レベルでの天然記念物指定は数多い。愛知県新城市の市のカエルの指定を受けている。個体数は安定していて、国際自然保護連合(IUCN)により2004年からレッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている。日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。
絶滅寸前(絶滅危惧種I類) - 奈良県
絶滅危惧II類(VU) - 千葉県、兵庫県
準絶滅危惧 - 山形県、新潟県、栃木県、群馬県、長野県、静岡県、愛知県、大阪府、和歌山県、岡山県、島根県、山口県
◆吉城園
630-8213奈良市登大路町63番地め0742-23-5821
吉城園(よしきえん)は、「興福寺古絵図」によると同寺子院の摩尼珠院があったところとされているが、明治になって民間の所有となり、大正8年(1919年)に現在の建物と庭園が造られた後、奈良県の所有となり平成元年4月1目より開園したもの。敷地面積約8,900㎡・2,700坪。万葉集に詠まれた吉城川に隣接する。園内は、池の庭、苔の庭、茶花の庭からなり、池の庭は、江戸時代からの地形の起伏、曲線を巧みに取り入れ、建物と一体となるよう造られている。苔の庭は、飛火野と同系の地下水脈が園内を流れているといわれ、杉苔の生育に適し、全面が杉苔に覆われた庭園で、平成22年5月に葺き替えされた、茅葺屋根の離れ茶室と一体となった閑静なたたずまいを呈している。茶花の庭は、茶席に添える季節感のある草花などが植えられ、素朴で潤いのある庭園として親しまれている。春は新緑、秋は紅葉が美しく、古都の四季に彩りを添えてる。
★2013年5月21日
庭園の池に泡、泡 - 奈良でモリアオガエルの卵
奈良市登大路町の庭園、吉城園で5月21日、初夏の風物詩ともなっているモリアオガエルの卵が昨年(6月8日)より2週間以上も早く見つかった。モリアオガエルはアオガエルの仲間で、日本固有種。水面にせり出した木の枝などに泡でくるまれた卵塊を産むのが特徴。約1週間ほどで孵(ふ)化し、オタマジャクシは下の水面に落下するという。この日朝、庭の手入れのため茶室横を通った職員が、脇にある庭園の池で発見した。卵はシダの根元と池の渕の2カ所にあり、見つけた職員は「発見し『やった』と思った。天敵にやられず、すくすくと育ってほしい」と話していた。同園は興福寺の子院跡で、万葉集に詠まれた吉城川に隣接。モリアオガエルの卵は普段公開していない茶室の池にあるため同園は、きょう22日から当分の間「モリアオガエルの公開」を行う。開園時間は午前9時から午後4時30分まで。期間中、休園日はなし。入園料は大人250円、中学生以下無料。問い合わせは国際奈良学セミナーハウス、電話0742(23)5821。
・・・そして2014年は、
★2014年5月15日
モリアオガエルの卵確認/奈良・吉城園
奈良市登大路町の吉城園(よしきえん)で、例年5月中旬~6月初旬に産卵するとされる在来種「モリアオガエル」の泡状の卵が今年初めて確認された。庭園を管理する職員が5月15日、園内の離れ茶室南側裏庭にある池のほとりのアラカシの木の枝先や池の縁で、直径約10センチの卵塊2個を見つけたたもので、昨年より約1週間早いという。モリアオガエルは、本州や佐渡島などに生息。体長4~8センチほどまで成長し、小高い植物の枝や葉に産卵する。園の担当者は「2週間ほどたつと梅雨が来て、卵からかえったオタマジャクシが池にぽつぽつと落ち始めるのでは」と話していた。普段は入れないが、6月の中旬頃まで池に通じる脇道を開けて、裏庭に入れるように案内も出ている。奈良市鳥見町から訪れた田中明子さん(75)は「オタマジャクシがかえるころ、ぜひまた見てみたい」と話していた。入園料は250円(外国人、65歳以上、中学生以下は無料)。開園時間は午前9時~午後5時(4時半閉門)。問い合わせは、吉城園(電)0742・22・5911。
・・・私が行った時には、もう脚が出ているのもいました。
・・・さて、私が飼育中のシュレーゲル・アオガエルは、
・・・何十匹も生まれましたので、
・・・とても、たいへんな状態です。でも、見ていると飽きないですねえ。もう少し成長したら放流?したいと思います。