トノサマガエル調査(3)
・・・水上勉さんの「ブンナ」をさらに深く調査し、年代をおって紹介します。
●1972新潮少年文庫
『蛙よ、木からおりてこい』という題名で、新潮少年文庫シリーズから刊行する。
●1978劇団青年座
脚本化し上演した時に『ブンナよ、木からおりてこい』のタイトルに変更された。
※劇団青年座は、1954年5月、当時、劇団俳優座の準劇団員であった若者が、俳優座から別れて作った劇団です。『創作劇の青年座』として劇団の創立以来数々の書き下ろし作品を上演しつづけてきました。翻訳劇全盛期の創立当時は、創作劇上演自体無謀な行動であり、劇団の存続を危ぶまれました。しかし、劇団を創立した10人のメンバーの意志は強く、創作劇の上演を重ねて確実に次代に受け継いできました。劇作家も椎名麟三以来時代と共に範囲を広げ、マキノノゾミ、鐘下辰男、坂手洋二、永井愛、松田正隆という新世代の劇作家との舞台を次々と発表しています。劇団青年座の「創作劇上演」は日本の演劇状況をより活発に、新鮮に塗り替えていると自負しています。今後も創作劇の上演はもとより、近代古典の現代的視点による上演、海外作品の上演、またミュージカル作品の上演も行っていきます。私たちの姿勢が認められ、特別推進事業の助成団体として、文化庁から2度も選ばれました事は、ますます我々に勇気を与え、今後の活発な劇団公演に油をさした結果となりました。
●1980山高登
大正15年 東京に生れる
昭和37年ごろより木版画を独習
昭和48年よりカレッジ・ウィメンズ・アソシエーション主催の「現代木版画展」に連続出品
昭和50~平成13年 新作版画展 瞬生画廊
昭和53年 出版社を退社
昭和54年 銀座松屋で個展
昭和55年 「日本の感性 川上澄生+山高登の世界」展 ゆーじん画廊
※1980三蛙房『ブンナよ、木からおりてこい』の装丁
昭和56年 平成元年 硝子絵個展 瞬生画廊
昭和57年 硝子絵展 ゆーじん画廊
昭和58年 木版画個展 東京アメリカン・クラブ
昭和58~平成4年 書票作品集を刊行 ギャラリー吾八
昭和63~平成11年 浜松個展 汎画廊
平成2年 木版画展 横浜そごう
「山高 登木版画全作品」刊行 瞬生画廊
平成11年 書票作品集を刊行 呂古書房
●1980川村順一
78年早稲田大学法学部卒業。在学中から演劇活動を行い、小説家水上勉主宰の「越前竹人形の会」にて舞台監督及び舞台美術を行うと同時に、水上勉氏と出版・演劇企画三蛙房を設立。図書の発行人として、1980年「ブンナよ、木からおりてこい」を出版。その後、新日本法規出版株式会社に入社。単行本の企画出版などを行う。新日本法規出版株式会社退社後、1984年に渡米。ニューヨークに1年間滞在し、絵画作品制作及び写真制作を行う。帰国後、編集者、舞台美術家及び空間デザインプロデューサーを経て1988年に株式会社ナムコ入社。テーマパークの企画やエレメカゲームの開発を経て、「鉄拳」シリーズや「ソウルエッジ」「太鼓の達人」「塊魂」等のビジュアルデザインプロデューサー、ナムコDHゲームラボ部長(事務局長)などを歴任。宝塚造形芸術大学、文京学院大学教授などを経て、2012年には大阪市都市型産業振興センター・メビック扇町・首都圏コーディネーターに就任。
◆1985若州一滴文庫
919-2116福井県大飯郡おおい町岡田33-2-1/0770-77-2445
若州一滴文庫は、美術・文学などの資料を展示する施設として、また、若州人形座の拠点として、おおい町出身の直木賞作家・水上勉氏により、1985(S60)年に開設されました。子どもたちに本と出会い人生や夢を拾ってほしいと水上勉氏の強い思いが込められています。現在は、水上氏の想いを受け継ぎNPO法人一滴の里が運営を行っています。
●1991若州人形座
1977年(S52)水上勉の呼びかけに人形遣いが集まる。並行して水上勉が『越前竹人形』の人形語り台本を脚色する。
1978年(S53)人形劇団「越前竹人形の会」結成。東京にて『越前竹人形』1ヶ月公演。その後、千葉、名古屋、埼玉、長野、福井、島根の各地を巡演。東京・文学座アトリエにて公演。
1985年(S60)若州一滴文庫設立。『越前竹人形』旧茅茸ホールこけら落し公演。糸魚川、金沢、福井、京都、尼崎、名古屋、高知を巡演。
1986年(S61)「若州人形座」旗揚。『曾根崎心中』若州一滴文庫及び東京の劇団文化座アトリエにて初演。
1991年(H3)『ブンナよ木からおりてこい』若州一滴文庫にて初演。