・・・以前にも取り上げている「大阪市立美術館」ですが、「日展」を見に行きましたので、これまで紹介していなかったことを中心に紹介していきます。
・・・めったに車で天王寺には行かないのですが、今回は年老いた母もいっしょなので「地下駐車場」から公園にあがりました。
◆天王寺公園
543-0063大阪市天王寺区茶臼山町/天王寺動植物公園事務所06-6771-8401
明治42年(1909年)に開設された、長い歴史を持つ公園です。起伏に富んだ園内には、旧住友家の名園慶沢園や茶臼山、市立美術館があります。昭和62年(1987年)に開設された天王寺博覧会を契機に、水と緑をふんだんに取り入れた公園へと一新されました。沈床花壇や小川の小径、水の広場、バラのアーチ、植物温室など、見どころも多彩です。
1903年第5回内国勧業博覧会が開かれる(第1会場が天王寺、第2会場が大浜)。
1909年会場跡地の東側を公園として整備し、「天王寺公園」が開園(通天閣を含む西側が新世界となった)。
1915年上野(東京)、岡崎(京都)に次いで国内3番目の天王寺動物園が開園。
1920年住友家の邸宅敷地が大阪市に寄付され、大阪市立美術館として開館。
1938年大阪市営地下鉄御堂筋線動物園前駅が開業。
1980年天王寺野外音楽堂が閉鎖(毎年春に名物コンサート「春一番」が行われていた)。
1987年天王寺博覧会開催に伴い、園内を再整備。映像館(マルチイメージシアター)などを設置する(閉幕後、公園主要部分はフェンスで囲われ、入場が有料となった。あいりん地区に近いため、公園内にはホームレスが多かったが、有料化と夜間が閉園となったことにより野宿ができなくなった)。
1990年頃 公園敷地内の無料で入れる連絡道路に青空カラオケを行う露店が並ぶ(公園内に大音量で響き渡る演歌や道路で踊る酔客には、市民や観光客からの苦情が多かった)。
2003年大阪市によって露店撤去。
◆フェルメールの小径
西暦2000年はオランダの商船「デ・リーフデ号」が、九州の豊後(大分県臼杵湾)に漂着し、日本とオランダの交流が始まって400周年でした。これを記念して17世紀オランダ絵画の巨匠、ヨハネス・フェルメール(1632~75)の代表作品を中心に、フェルメールが生涯を過ごした懐旧の地・デルフトの芸術的風土から生まれたデルフト派の作品約40点を一堂に集め、日蘭交流400周年記念特別展覧会「フェルメールとその峙代」を大阪市立美術館で開催しました。現在確認されているフエルメール作品は、35点です(他に1点、90年に盗難にあって行方不明のものがあります)。いずれも欧米の美術館に1点~5点が収蔵され、まとまって見られる機会はありません。世界中の美術関係者が、所蔵館に借用願を何百通と出していますが、ニューヨークのフリック・コレクション(3点所蔵)のように遺言などによって「門外不出」とされているものも多く、ほとんど貸し出しの許可はでません。たった1点のフェルメール作品の移動が、世界中の注目を浴びます。日本に出品されることになった「青い夕一バンの少女(真珠の耳飾りの少女)」や「地理学者」も、それぞれの国の閣僚レベルや政府機関の中で大変な論議と手続きを経て「日蘭交流400周年記念」の特例として決定されたもので、今後、5点ものフェルメール作品がまとまって日本に来ることは不可能でしょう。フ連日行列ができ、レストランでは「フェルメール弁当」まで登場しました。この展覧会の際に大勢の観覧者をさばくために増設された「フェルメールの小径」は、天王寺公園入り口から美術館までの近道として現在も利用されています。
・・・「フェルメールの小径」から「慶沢園」に入ります。もちろん、カエルの置物を確認して、ここから美術館を眺めるのが最高です。
◆慶沢園
543-0063大阪市天王寺区茶臼山町1-108(天王寺公園内)
天王寺公園内にある純日本風の池泉回遊式庭園。大正15年(1926)、江戸時代からの大阪の豪商・住友家15代吉左衛門(号は春翠)から大阪市へ、本邸とともに寄贈されたもの。中島を浮かべた大池を中心に、三方に築山を築き変化に富んだ地形をつくり出している。周辺には園路や飛石、橋をめぐらせ、茶室や四阿・あずまやが配されている。木津聿斎(きづいっさい)の設計にて、京都の名庭園師小川治兵衛の手により明治41年に着工し、大正7年に完成しました。「植治」こと小川治兵衛は、明治中期から昭和初期にかけて東京の西園寺公望邸や平安神宮、円山公園など大規模な庭園を手掛け、近代造園のスタイルを確立したと称えられる造園家。庭園は当初、春翠によって「照代之恩恵祖先の余沢」の思いで「恵澤園」と名付けられたが、完工時には「慶沢園」に改名された。庭園内の奥から入り口に向かって見える大阪市立美術館の本館が、同じ時期に寄贈された住友家の本邸だった。茶室「長生庵」は、予約をすれば利用できるそうです。
・・・美術館の地下には、
◆「瑠樹(ルージュ)」天王寺美術館内B1レストラン/06-6771-6584
大阪市立美術館地下のレストラン。レトロな雰囲気で、おすすめです。
●美術研究所
昭和21年に創設され、公立施設としては他に類をみないユニークな専門教育機関で、素描・絵画・彫塑の実技研究をおこなっています。石膏素描前期・後期、人体素描、絵画、彫塑の課程があり、入所者はまず石膏素描前期からスタートし、年6回ある実技コンクールに合格した者が石膏素描後期、人体素描、絵画、彫塑へ順次進級していきます。これまで多くの作家を輩出し、大阪をはじめ広く美術文化の振興、発展に大きく寄与しています。
・・・なんと、私は中学時代ここに少し出入りしていたのです。