・・・東大寺からぐるっと奈良公園をまわって、
◆【シルクロード交流館】◆
630-8211奈良県奈良市雑司町469/0742-22-0375
昭和63年に奈良公園の一帯と平城宮跡で開催された「奈良・シルクロード博」を記念して、建てられた奈良公園館。
平成16年4月23日に同館がリニューアルされ、奈良シルクロード交流館として生まれ変わりました。同館では、江上波夫氏から寄贈された品を中心に、シルクロードの終着点として繁栄した、奈良の歴史と文化を紹介しています。敦煌莫高窟の復元、海のシルクロードを航海した地中海古代交易船の模型、シリア沖で発見された、アンフォラの壺などの珍品が揃っています。レストラン「クイーンアリスシルクロード」利用者以外の方も、入場自由なフリースペースと「江上コレクション」展示室を鑑賞できますので、お気軽にお越し下さい。休館日等の取扱は、レストランの運営に準拠します。
・・・入ったことがなかったので立ち寄りました。
設計は菊竹清訓さんで、丹下健三に並ぶ大御所建築家です。村野事務所出身で、その弟子は伊東豊雄・長谷川逸子・大江匡・仙田満・内藤廣などで、菊竹イズムを継承されています。菊竹さんと言えば物議を醸し出すような奇抜なデザインが特徴ですが、、この建物に関しては、奈良という土地に配慮して菊竹色は抑えられています。主な作品といえば、「江戸東京博物館」や上野にあった「ソフィテル東京」、関西ではエキスポランドにあった「エキスポタワー」などです。2005年の愛知万博では総合プロデューサーも勤められました。
●「萌えいづる」/杉村尚
シルクロード記念館前の彫刻は、奈良県百周年を迎えた記念として、昭和62年に設置された杉村尚さんのモニュメントです。
京都駅の新幹線ロビーには「こころのとも」という杉村さんの彫刻があります。この作品は、京都南ロータリークラブ創立25周年を記念して製作寄贈されたものです。
大正11年奈良県に生まれる。昭和17年、第5回文選に初入選。18年東京美術学校卒業後、昭和34年に第2回日展で特選、昭和35年には奈良県文化賞、昭和37年より日展審査員、同評議員。日本美術家連盟会員、京都教育大学名誉教授。平成10年には訓三等旭日賞を受賞、平成14年肺がんのため奈良市の病院で死去、81歳でした。
●江上波夫(1906年11月6日~2002年11月11日)
騎馬民族征服王朝説などを発表した考古学者。1948年に「日本民族=文化の源流と日本国家の形成」と題するシンポジウムで発表された。その要旨は、「日本における統一国家の出現と大和朝廷の創始が、東北アジアの夫余系騎馬民族の辰王朝によって、4世紀末ないし5世紀前半ごろに達成された」と推論している。学界では疑問視する意見も強いが、発表後50年以上経っても、一般に流布した学説として生き続けている。学説が発表されたのは天皇家の起源を神話に求める皇国史観の束縛から解き放たれた時期で、マスコミはこぞって江上説を紹介した。北方から騎馬民族が南下し、次々と農民族を支配下に入れて新王朝を建設するという話に、ロマンを感じる人が多かった。2003年(平成15年)3月、江上波夫が横浜市に寄贈した考古・歴史・美術・民族資料約2500点、文献資料約25000点を元にして「横浜ユーラシア文化館」が開館されています。
・・・さて、奈良公園に来たら「阿修羅」を見ずには帰れない。ということで、興福寺に向かいます。