中之島 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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中之島(9)


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■オムライス

中之島のシンボル、中央公会堂。外観は何度も見たことがあるけれど、中に入ったことはないという人は案外多い。ネオ・ルネサンス様式の建物はとっても絵になってステキだけど、我々庶民にはちょっと敷居が高くて、何か用事でも無い限り気軽に中に入れるような雰囲気ではない。そして、公会堂の地下にあるレストランなのだからとても高いに違いないと思っても不思議ではないところが、重厚さ内観の華麗さとは裏腹に、とてもリーズナブルで美味しい食堂なのです。公会堂と同じ大正時代に作られたと思われるこの食堂、正式名は「大阪ホテル中央公会堂食堂部」といい、大阪で最も古いホテル会社が運営、しかし1999年から2002年にかけて行われた公会堂の大規模な改装工事の影響を受けて、工事前の1998年12月に閉鎖してしまった。改装後の再オープンまで約3年半。社長兼ウェイターのおじいちゃん曰く「他に支店もないし、3年半も待ってられん」との理由から、会社は解散、改装後は別のレストラン業者が入ることになった。そのレトロっぷりは公会堂本体に負けず劣らず。昔の建物独特の高い天井、その天井でゆっくりと回るレトロな扇風機。創業の頃から使っていると思われる、今はもう動かない木のレジスター(1000円までしか計算できないらしい)。カップやお皿を置いた時に響く「カツン」という音が心地よい大理石のテーブルに、木製の椅子。建物がレトロなら、働く人もレトロ。年期の入ったおじさんウェイターにおばさんウェイトレス。彼らの給仕ぶりもまた堂に入っていて、見事だった。さらに嬉しいことに、ほとんどのメニューが500円前後という安さ。でも付け合わせのトマトはちゃんと皮が剥いてあったりして、本格派の洋食が食べられる店として親しまれていた。レストランガイド等にはまず掲載される事のない店なのに、近隣のビジネスマンやデート中のカップルで、昼休みはいつも盛況だった。そして彼らはほとんどみな、オムライスを食べていた。そう、どこか懐かしい正統派のオムライスがここの名物だったのだ。まるで大正時代にタイムスリップしたかのような、大都会の中の異次元空間。


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そして2002年に、同じ場所で別の業者が始めたレストラン「中之島倶楽部」リニューアルオープンした。「あの名物オムライスは昔のままだよ。業者もシェフも変わったけど、オムライスのレシピは次の店に渡したらしい」、内装は見違えるほどゴージャスになり、レトロはレトロだけど、以前の食堂が「庶民的レトロ」だったのに対し、今のレストランは「高級感あふれるレトロ」という感じ。気になるオムライスの方、以前のトマトケチャップではなくデミグラスソースになっており、その上にさらにリコッタチーズが盛られて、ぐっと高級感アップしてい。以前の味を踏襲しつつ、ちょっと現代風にアレンジした」のだとか。


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「大阪ホテル」があったと思われる場所には、「大阪市立東洋陶磁美術館」があります。


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大阪市立東洋陶磁美術館

住友グループから寄贈された安宅コレクションと呼ばれる東洋陶磁コレクションを核として1982年(昭和57年)に設立。高麗・朝鮮時代の朝鮮陶磁、中国陶磁を中心に、国宝 2件、国の重要文化財 13件を含む約4000点が収蔵されている。この珠玉のコレクションは、安宅コレクションを中心に、他のコレクションからの寄贈や購入を加えて、徐々にその数を増していったものである。安宅コレクションは、1977年(昭和52年)に経営破綻した大手総合商社の安宅産業株式会社および創業家二代目の安宅英一会長が収集したものであった。安宅英一は社業の傍ら東洋陶磁のコレクション形成に心血を注ぎ、他のコレクターの名品も次々とここに収集していった。安宅産業は1977年(昭和52年)10月1日に伊藤忠商事に吸収合併され、伊藤忠商事が引き受けない残存財産のうち、2000億円余りを住友銀行(現三井住友銀行)を含め16行で吸収合併前日に一斉償却し、残る約3000億円は受け皿会社エーシー産業を1977年(昭和52年)4月に設立し、東洋陶磁コレクションも引き継がれた。しかし貴重で体系的なコレクションの散逸を惜しむ各方面の意見により、1980年(昭和55年)3月に住銀頭取磯田一郎は公共機関に寄托することが最もふさわしいと判断し、大阪市への寄贈を決めた。大阪市の負担を回避するために、住友銀行を中心とした住友グループ21社の協力のもと、965件、約1000点の買い取り資金が1982年(昭和57年)3月までの2年間に、総額152億円を大阪市の文化振興基金に寄付し、その寄付金で大阪市が買い取ることにした。美術館の建築資金18億円は、基金への寄付金の積み立てに伴う運用利息で賄った。


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1982年(昭和57年)に美術館の開館した後も、さらに複数のコレクターからの寄贈を受け、特に1999年(平成11年)には在日韓国人実業家李秉昌からの寄贈で、多くの朝鮮陶磁の名品が所蔵された。


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今回は・・・国宝「飛青磁花生」を拝むことができました。