かはっ(11) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

稲むらの火(7)


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-たいく1


■和歌山県有田郡広川町立耐久中学校

校庭に創立者「浜口梧陵」銅像が、生徒達の元気に学習する姿を見つめています。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-たいく2


■「耐久社」の起源は、嘉永5年の「広村稽古場」です。浜口梧陵が浜口東江・岩崎明岳と相談して、広村青年子弟の教育の場として創立したものです。「広村稽古場」は、吉田松陰の松下村塾の開設より5年も早かったのです。その「耐久社」は、その後耐久学舎、私立耐久中学校、和歌山県立耐久中学校を経て現在の和歌山県立耐久高等学校、広川町立耐久中学校としてその伝統を受け継いでいます。現在、広川町立耐久中学校の校地内に「耐久社」の記念館として保存されています。この建物は、明治3年に建設されたものを、移築したものですが、昭和21年の昭和の南海地震の際の津波の被害をうけ、修理再建されたものです。和歌山県の史跡に指定されて、文化財として保存されています。津波の後、痛みが激しく保存が非常に難しかったようですが、耐久中学校の卒業生の募金により再建できたそうです。津波の跡形は分かりませんが、再建が難しかった名残があちこちに残っていました。床板の根座に使っている材木は、古い柱であったり、敷居であったりと古木をつかっているのがわかりました。当時の苦労の程が窺われる歴史的遺産です。


■校訓

真:真理ヲ研究シ言行ヲ誠実ニスベシ

健:身心ヲ鍛練シ意志ヲ鞏固二スベシ

美:情操ヲ涵養シ 徳義ヲ尊重スベシ

[由来] 1904年、耐久学舎の舎長宝山良雄が古い歴史と伝統とをますます拡張し、発展させようと制定した三綱領「真美健」に由来し、この理念は今日に至るまで受け継がれているものです。

・稽古場 嘉永5年(1852年)広村(現広川町)に創設。

・耐久社 慶応2年(1866年)永続を願って称された。

・耐久学舎 明治25年(1892年)創立の精神を一層高めると共に、時勢の進歩に鑑み、校風の一新を企図して改称した。

・私立耐久中学校 明治41年(1908年)中学校令により改称する。

・県立耐久中学校 大正9年(1920年)県立に移管。

・県立耐久高等学校 昭和23年(1948年)学制改革により、県立有田高等女学校と統合したが、耐久の名称は受け継がれた。終戦後視察に訪れた進駐軍の将校が、ナイアガラの滝を前にしている創始者・濱口梧陵の肖像画をみて感動し、校名がそのまま残ったという秘話がある。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-たいく3


■浜口陽三の略歴

1909年和歌山県広村に生まれる。

1914年千葉県銚子市に移住

1930年梅原龍三郎の助言により東京美術学校を中退、渡仏

1937年最初の銅版画制作「猫」

1939年第2次世界大戦のため帰国

1953年再び渡仏、パリに定住

1954年現代日本美術展で受賞「スペイン風油入れ」「ジプシー」

1955年この頃からカラーメゾチントを制作「西瓜」

1957年第1回東京国際版画ビエンナーレで東京国立近代美術館賞を受賞「水差しとぶどうとレモン」「青いガラス」サンパウロ・ビエンナーレで大賞を受賞「魚と果物」「したびらめ」「西瓜二切」等

1961年リュブリアナ国際版画展(ユーゴスラビア)で受賞

1972年第4回クラコウ国際版画ビエンナーレで受賞「びんとさくらんぼ」

1981年パリからサンフランシスコに移住

1982年北カリフォルニア版画大賞展でグランプリ受賞「西瓜」

1984年サラエボ冬季オリンピック大会でオリンピック記念ポスターに「さくらんぼと青い鉢」が採用される

1996年帰国

2000年12月25日、逝去 享年91歳


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-はま1


■ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

浜口陽三は創業360年、歴史あるヤマサ醤油第10代目社長濱口儀兵衛の三男として生まれました。父儀兵衛は南画収集家で、自らも南画を学んだ人でした。さかのぼれば、5代目濱口灌圃は江戸後期に活躍した南画家で、濱口家は芸術に秀でた人物を多く輩出した家柄でもあります。浜口陽三は、カラーメゾチントという独特の銅版画技法を開拓、その卓越した技術が創り出す、静謐な世界は多くのファンを魅了しています。1996年にパリ、サンフランシスコでの永い海外生活を終え帰国。本人の賛意もあり、持ち帰った多くの作品を展示する美術館を開設いたしました。現在では、銅版画の魅力を紹介する企画展、イベント、版画教室なども開催しております。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-はま2


今回の訪問で最大の収穫は、浜口陽三さんとの出会いだったかもしれない。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-はま3


ぜひ・・・行ってみたい美術館である。