夜汽車
つげ義春さんの作品の中にいろいろ気になるものがあるのですが、今回は「夜汽車」を採り上げてみたいと思います。
■どうにかなるさ/作詞:山上路夫、作曲:かまやつひろし
今夜の夜汽車で 旅立つ俺だよ
あてなどないけど どうにかなるさ
あり金はたいて 切符を買ったよ
これからどうしょう どうにかなるさ
見なれた街の明かり 行くなと呼ぶ
けれどもおんなじ暮らしに疲れて
どこかに行きたい どうにかなるさ
仕事もなれたし 街にもなれたよ
それでも行くのか どうにかなるさ
一年住んでりゃ 未練ものこるよ
バカだぜおいらは どうにかなるさ
愛してくれた人も 一人いたよ
俺など忘れて 幸福つかめよ
一人でおれなら どうにかなるさ
・・・汽車の姿が見られなくなった今では、「夜行列車」と表現するしかないのだろうか?ちょっとイメージが違うような気もするが・・・
■夜汽車のブルース/遠藤賢司
ああ、何かいい事ないかな
ああ、何か面白いことないかと
夜汽車は 夜汽車は走るのです
この窓ガラスの向こうの暗闇に
そう、この窓ガラスの向こうの暗闇に
何かがひそんでいると
僕はいつでも 思ってしまうのです
だから この暗闇を抜ければ
そう、この暗闇を抜ければと
夜汽車は 夜汽車は急ぐのです
ああ、何かいい事ないかな
ああ、何か面白いことないかと
夜汽車は 夜汽車は走るのです
東北新幹線や九州新幹線が開通して、もはや「夜行」なんて時代遅れなのかもしれない。
「夜汽車」の画家と言えば・・・
Paul Delvaux(1897~1994)
ベルギーの画家。1897年9月、ベルギー・リエージュ州ユイ近郊の母の実家で誕生。父は裕福な弁護士で、ブリュッセルの裁判所に近いアルブル通りに妻と住んでいた。16世紀のマニエリスト達の女性像や、独自の夢とノスタルジーの世界を築く。くり返し表現される裸体、建物、電車、背景にはギリシャ神殿がよく用いられる。静寂さの中に幻想的な世界が広がる。幻想画家といわれるゆえんがある。1935年以後、運動には直接参加しないままシュルレアリスム展にしばしば出品。
1946年 ニューヨークで個展。この年より汽車をモティーフにした作品が多く描かれる。1954年ベルギー航空社長ジルベール・ペリエ邸の壁画を制作(1956年に完成)。この年から汽車、電車が集中的に描かれるようになる。長くブリュッセルに住んだが1994年に没す。
・・・夜汽車、夜行列車が私たちを遠い未知の世界に運んでくれる。