井の中(7)
魔法陣?
魔方陣?
■五芒星(ペンタグラム)
最もメジャーな魔法の星といえば「五芒星」(ペンタグラム)があげられるでしょう。この5つの角をもつ星型は、古い時代から魔術、まじないなどに用いられてきた図形の1つです。これは最初からこの星の形だったのではなく、もとは正五角形であったともいわれています。なぜ五角形だったのかはよくわかりませんが、古い時代の魔術師たちは「イエス」の誕生を告げ、ベツレヘムの夜空に輝いた星は五角形であったと主張していたそうですから、その辺りが起源なのかもしれません。またこの図形の5つの角は、「魔術の5つの特性」、「人間の五感」、「人間の手足と頭」など、神秘的な5つの要素を表すともいわれています。この正五角形からやがて五芒星が派生するわけですが、そもそもはこの五角形の内側の角を結んだ対角線だったようです。この対角線の起点は真上の角で、そこから左下の角へ、そして右上の角、左上の角、右下の角ときて最後に真上の角へと戻ります。これで一筆書きの如く、綺麗な星ができあがります。これらの各々の対角線には実は神秘的で哲学的な意味があるそうで、この順序で描くのが本当のようです。ちなみに自然界の4大元素を象徴した五芒星を描く場合には、これとは異なる描き順で描かれることもあるようです。五芒星が一つの角が上を向くように描かれた場合は、「神」を表し、良い精霊を呼び出したりする時に用いられ、角を下に向けて描かれた星は悪魔サタンを表すとされ、悪い精霊を呼び出したりする際に使われたりと対照的な意味があります。
■六芒星(ヘキサグラム)
今日「ダビデの星」「ユダヤの星」とも呼ばれる「六芒星」は、2つの三角形をからみ合わせ、組み合わせた図形です。この星はギリシャ・ローマの時代ぐらいからはユダヤ教のシンボルとして知られていますが、それ以前にも既に魔術的なシンボルとして伝えられていたようです。魔術師たちはこの星型を「とある魔神」の足跡を表したものと考え、「召還儀式」などにも用いていたのだとか。また錬金術師の間では、この六芒は「水(▽)」と「火(△)」の対象的な2つのシンボルを組み合わせたものと考えられ、やはり神秘的な用法がとられたようです。今では一般的にユダヤ教のシンボルとされ、イスラエルの国旗にも描かれているこのヘキサグラムです。日本では家庭用ゲームソフト「女神転生」(2だったかな?)の悪魔合体のシーンにこのヘキサグラムが使われていましたが、海外版として国外へ輸出する際、特定の宗教等を表すものではないがクレーム等に配慮する、として図形を変更したという経緯もあります。それくらい、この図形は今ではユダヤと密接に結びついているようです。
■七芒星
全周360°÷7は、割り切れません。真に正確な「正七芒星」というものは描くことはできません(限りなくそれに近いものは描くことはできますが)。「全周360°」という概念がいつの頃の時代からあったのかはよくわかりませんが。本来は不可能なこの図形、それを転じて「不可能を可能にする」という意味合いで用いられたもののようです。しかし様々な魔法円の中にあって、この「七芒星」がものすごくマイナーなものである事には違いなく、魔術関係資料を参照してもまず載っていません。
■グリモワール (仏: grimoire グリムワール、グリモワ、グリモアとも)
フランス語で呪文集を意味し、特にヨーロッパで流布した魔術書を指す。奥義書(おうぎしょ)、魔導書(まどうしょ)、魔法書(まほうしょ)ともいう。類義語に黒本、黒書(black books)がある。狭義では悪魔や精霊、天使などを呼び出して、願い事を叶えさせる手順、そのために必要な魔法円やペンタクルやシジル (オカルト)のデザインが記された書物を指すが、魔術を行う側の立場から書かれた悪魔学書、魔術や呪術などに関する知識、奥義を記した古文書、書物全般のことを指す場合もある。『ソロモンの鍵』『ソロモンの小さな鍵』『黒い雌鶏』などが有名で、特に『大奥義書』の異本『赤竜』に加えられた、黒い雌鶏を使った召喚儀式に登場する「エロイムエッサイム我は求め訴えたり」(Eloim, Essaim, frugativi et appelavi)という呪文は、「悪魔くん」や『魔界転生』などの作品に取り入れられ、日本でも有名である。
澁澤龍彦の『黒魔術の手帖』では「エロヒムよ、エサイムよ、わが呼び声を聞け」という『黒い牝鶏』の呪文が紹介されている。





