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■岡本太郎「明日の神話」に付け足した福島第一原発事故の絵、アート集団Chim↑Pomが認める


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東京・渋谷駅通路に展示されている岡本太郎さんの壁画「明日の神話」に福島第一原発事故を思わせる絵が付け加えられていた騒ぎで、アート集団「Chim↑Pom[チン↑ポム]」が自分たちの行動であることを示す動画を公開している。Chim↑Pom[チン↑ポム]は、5月20日より展覧会「REAL TIMES」を開催予定。今回の行動は同展の予告動画で明らかにされている。


Chim↑Pom展「REAL TIMES 」予告動画

問題となっているのは、5月20日より25日まで東京・無人島プロダクションで行われるChim↑Pom展「REAL TIMES」の予告動画。同動画には開始45秒から、約13秒にわたって、「明日の神話」を改変している場面が映し出されている。5月18日には都内ギャラリーで取材にも応えたことを、ギャラリーの担当者が明かした。Chim↑Pom[チン↑ポム]は、同展のテーマを「3月11日以降の『今→リアルタイム』、そして今という『リアル(な/の)時代』」とオフィシャルサイト上で説明しており、今回の行動もその一環であったようだ。これまでも現実社会とのかかわりを重視してきた同グループは、何度も福島第一原子力発電所や被災地に足を運び続けていることを明かしており、同展のプランも、ボランティア活動などを通して、現地の状況を実際に肌で感じながら、撮影を行って立ち上げたという。岡本さんの「明日の神話」は、原爆のさく裂する瞬間をモチーフにしたもの。今回、Chim↑Pom[チン↑ポム]が行った改変行為、並びにその告白というべき行為に対して、岡本太郎記念館側は特に声明を発表しておらず、担当者によると、今後もその予定はないという。改変行為が話題になった際も、警察に通報したのは一般人であり、記念館側は特に行動を起こしていなかったと担当者は明かしている。今回の改変行為に対しては、インターネット上でもその是非をめぐった議論が巻き起こっており、多くの著名人もこの件に関連してコメント。単純に「良い」「悪い」といった形で結論の出る問題ではないものの、多くの人の注目を浴びたことによって、原発のあり方を考える一つの契機になったことは確かなようだ。


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■渋谷の岡本太郎壁画への落書き アート集団が公開

東京都渋谷区の渋谷駅構内にある画家、故岡本太郎氏の壁画「明日の神話」の一角に、原発事故を連想させるベニヤ板張りの絵が張られていた事件を巡り、アート集団「Chim↑Pom」(チンポム)が5月18日夜、都内のギャラリーで開いた個展の内覧会で、壁画に絵を取り付けている映像作品と原画を公開、メンバーが「作品として付け足した」と話した。警視庁渋谷書が軽犯罪法違反容疑などで捜査している。「Chim↑Pom」は6人組で、平成20年に広島の上空に飛行機で「ピカッ」という文字を描いて騒動になった。今回の絵は「LEVEL7 feat.『明日の神話』」と題され、岡本氏のタッチで壊れた4つの原発建屋が描かれている。メンバーの卯城竜太さん(33)は「(原発事故で)歴史は更新されてしまったので、ヒバクのクロニクル(年代記)に(福島を)付け足した。作品を岡本太郎記念館に寄贈したい」などと話した。


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■岡本太郎「明日の神話」への落書き「いたずらと切り捨てられない」

●岡本太郎記念館の館長・平野暁臣さん

東京・渋谷駅構内で展示されている芸術家、岡本太郎(1911~96年)の巨大壁画「明日の神話」に先日、原発事故を思わせる落書きが付け加えられる騒ぎがあった。岡本太郎記念館(東京・南青山)の館長、平野暁臣(あきおみ)さん(52)は「いたずらと切り捨てられない」と語る。決して褒められた話ではないが、核と人類をテーマにした「明日の神話」がいま、その存在感を増していることを感じさせる出来事でもあった。「太郎が生きていても、別に怒らなかったと思いますよ。『ふーん』というだけでしょう」。平野さんはそう語る。「明日の神話」は縦5・5メートル、横30メートルという巨大な作品。代表作「太陽の塔」と同じころ、1968年から69年にかけてメキシコで制作された。しかし、依頼者が倒産し、作品も行方不明に。30年以上の歳月を経て発見され、修復作業を受けて2006年に再公開された。複数の自治体による誘致運動の結果、08年から渋谷駅の連絡通路で公開されている。今回の騒動は、壁画の右下のパネルが空いている部分に、福島第1原発を描いたベニヤ板がはめ込まれたというもの。壊れた4つの原発建屋が、太郎のタッチをまねて描かれている。「みなさんはいたずらとおっしゃるけれど、スプレーを作品に吹き付けたり傷つけたりしたわけではない。『明日の神話』は後世に残すべき作品だと敬意を払ったやり方をしている。ゲリラ的な瞬間芸として、明らかにアートの文脈で行われた行為です。ただ、作品としては斬新さも感じないし、ほめるつもりもありませんが」平野さんは苦笑しつつ、岡本太郎が「行動の対象」になったのは理解しやすい、と語る。「やったのはおそらく若い人でしょうが、彼らがいま、日本の置かれた状況や不安感、そういうものをモチーフにして、表現をしたいと思うのは当然。それをぶつける舞台として太郎が選ばれた。未来を考えるときに参照されるアーティストだということでしょう」核爆発の場面を描いた「明日の神話」は、圧倒的な破壊と死の恐怖とともに力強い再生のメッセージも伝えてくる。渋谷で作品を見上げていると、作品の奇跡的な再発見が、いまの日本のために用意されたようにも感じられる。


■<岡本太郎さん壁画>改変容疑で芸術家3人を書類送検へ

東京・渋谷駅構内に飾られている芸術家の故岡本太郎さんの巨大壁画「明日の神話」に福島第1原発事故を模した絵が付け加えられた問題で、警視庁渋谷署は週明けにも東京の若手美術家グループ「Chim←Pom(チンポム)」のリーダーら28~33歳の男性メンバー3人を軽犯罪法違反(はり札)容疑で書類送検する方針を固めた。送検容疑は4月30日夜、爆発した四つの原子炉建屋を描いた絵の板(縦約80センチ、横約2メートル)を、岡本さんの壁画(縦5.5メートル、横30メートル)の右下につなげる形ではり付けたとしている。リーダーらは5月18日に記者会見し自分たちが掲示したことを認め、絵をはり付ける様子を映した映像と原画を公開。渋谷署はメンバーらから動機などを任意で聴取していた。グループは08年、広島市上空に小型ジェット機で「ピカッ」という文字を飛行機雲を使って浮かび上がらせ、被爆者らから批判を受けたことがある。


Chim↑Pom

Chim↑Pom(チン↑ポム)は、2005年8月、東京で結成されたアーティスト集団。メンバーはエリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求の6人編成。2005年、会田誠のサンフランシスコでの個展開催時に、会場の一部で作品を展示し、アート界にデビューする。映像作品を織り交ぜたインスタレーションを中心とした展示で、動物の生死や都市におけるタブーなど、刺激的なテーマを次々に扱い、常に賛否両論を巻き起こしている。2008年10月には被爆地である広島県の上空に、飛行機で「ピカッ」という文字を描いたことが問題となる。報道が過熱し謝罪会見にまで発展、予定されていた広島市現代美術館での展覧会が取り止めになった。のちに騒動を検証した本『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』(Chim↑Pom・阿部謙一 編 無人島プロダクション発行)を2009年3月刊行、合わせて「広島!」展を開催し作品を発表した。2010年、河出書房新社よりChim↑Pomの初作品集が出版。同年アジアの最優秀若手作家を決める、「Asia Art Award」のファイナリストが発表され、日本代表に選出される。 同年、世界の重要な国際美術展のひとつであるサンパウロ・ビエンナーレに参加。2011年5月1日夜に発見された、岡本太郎の壁画「明日の神話」へ絵を付け足したのは自分たちの仕業だと名乗り出たことが警視庁への取材で分かった。


■『明日の神話』

岡本太郎が制作した縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画。東京都渋谷区、渋谷マークシティの京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路にある。第五福竜丸が被爆した際の水爆の炸裂の瞬間をテーマにしている。アスベスト製の板に一部コンクリートを盛り付けてアクリル系塗料で描かれている。悲惨な体験を乗り越え、再生する人々のたくましさを描いたとされる。大阪万博のシンボルタワー「太陽の塔」に並ぶ、岡本の代表作。岡本の絵画では最も大きな作品とされる。岡本はメキシコに建設されるホテルのために制作したが、依頼主の経済的事情で作品の所在は不明となっていた。2003年9月、メキシコ国内の倉庫で発見、岡本のパートナーである岡本敏子が確認作業を行った。2004年10月、岡本太郎記念現代芸術振興財団などが、再生プロジェクトを立ち上げた。修復のため、100個以上に分かれた壁画の断片を日本に船で移送、2005年7月から愛媛県東温市で絵画修復の専門家、吉村絵美留らが作業を行い、2006年6月に完了、報道陣に公開された。修復した壁画は2006年7月8日から8月末まで、東京汐留の日本テレビで一般公開された。展示後、岡本太郎記念現代芸術振興財団は永久保存を望んでおり、「太陽の塔」がある大阪府吹田市をはじめ、被爆地である広島市、長崎市の市民団体、及び東京都渋谷区が、それぞれ誘致運動を行っていたが、2008年3月18日、財団は東京都渋谷区への恒久設置を決め、同年10月17日、壁画の渋谷マークシティの連絡通路への取り付け作業が完了。同年11月17日より一般公開されている。なお、油彩の原画5枚のうち1枚(1号原画)が広島市に寄託され、広島市現代美術館で保管されている。2007年4月27日から2008年6月29日までの期間で東京都現代美術館にて特別公開された。


・・・今回の事件?(芸術)について、コメントそのものがナンセンスに思える。まさしく、今という時代。