がんばろう石巻
仙石線石巻駅の駅舎に、職員さんたちが横断幕を貼っておられました。「がんばろう!石巻」いまだ潮の香りがする駅前が、少し明るくなった気がしました。
震災1ヶ月後の4月11日。手作りの看板を作る「がんばろう!石巻」その大きな文字に、誰もが釘付けになった。津波直後の火災で焼け野原となった石巻市門脇町で、水道配管工事業を営んでいた黒澤健一さん(40)らが横幅約11メートルの木製の看板を立てて故郷を元気づけるメッセージを書いた。津波で流された店舗兼自宅の跡地に「今やれることは全部やりたい」と、看板屋を営む友人の佐藤光敏さん(40)らと、がれきの材木などを再利用し完成させた。
震災直後、黒澤さんは松の木にしがみついて津波から逃れました。空が白みかける頃に水位が下がると、黒いヘドロに足を取られながら、奥さんを探してがれきの中を歩き回りました。「妻の名を呼ぶ声も、ヘリコプターにかき消された。悔しさに、涙が溢れる。大声で泣いた。そして、やっと見つけた妻の顔に、全身の力が抜けた。」自宅周辺のがれきの中で、やっと見つけた仕事道具。無力感に押しつぶされてたまるか!その「奮起の証し」を形にしたのが、あの看板だったのです。
「看板を作ることに、どんな意味があるのか。それはわからない。しかし・・・。被災者の苦しみをわが苦しみとする師の言葉に、師の思いに、応えたかった。」「不安、絶望、悲哀、無力感・・。皆が、そんな思いと格闘している。この看板で、誰かが少しでも元気になればそれでいい」やがて「この看板に勇気づけられたから」と、新しい仕事も入りました。
銀行からの融資も取り付け、現在は水回りの修理やボイラーの点検などで、市内を走り回る日々だそうです。「苦しみを苦しみのままで終わらせない。必ず力に変えてみせる。それが使命だと、被災したからこそ強く感じる」・・と黒澤さん。
復興するぞ!!!・・・支援するぞ!!!