プライバシーが少しは保たれる
被災地でさまざまなテント状の個室が利用され、プライバシーの点で大いに被災者の方々を助けている。震災に遭う可能性は誰にでも平等に訪れる。今最も話題の商品は、岩手県の釜石小学校・避難所一杯に敷き詰められた、コーティング加工された布製の天井のないテント。被災された方々の辛苦は推し量るべくもないが、この“豪華な仕切り”で明らかに最低限のプライバシーは保たれており、「自分たちの家みたいで住みやすい」、との感想も紹介されている。これは、都内の災害対策用テント製造販売会社「ニード」の<ワンタッチパーテーション・ファミリールーム>という間仕切り型の商品。簡易テントの一種で、カバンのように持ち運ぶことが出来、ワンタッチで組み立てられる。高さ1.8mという最大の商品が、税込み25,200円。
災害時に活躍しそうな布製の簡易テントの種類は、とても種類豊富。ほかにも、シャワーが浴びられるテントがある。屋根つきのもので、大人一人が立てるくらいの縦長サイズ。そこにトイレットペーパー掛けと、さらに天井にシャワー固定用のフックがついている構造。税込み7,329円。いっぽうで、簡易テントは既存の商品だけではなく、今回の震災に対して、被災地の方の役に立ちたい、ということから、お年寄り向けに、畳が敷いてある木製の組立個室(入り口は障子。完全に茶室のような和室になっている)も製作されている。これは、倉吉の設計事務所さんの手によるもので、既に被災地からの問い合わせを待っている。
■株式会社 ニード
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-2-29 虎ノ門産業ビル
TEL 03-3503-4850 FAX 03-3502-5236
http://www.need-co.jp/ mail:need@dream.ocn.ne.jp
総理大臣も知っていたワンタッチ・パーテーション。
■札幌式トイレ
01年の「きらら博」会場に設営されたトイレ。エムズジャパンという会社が納入。角に写真のように便器を配置し、三角形の座面を確保した型式で、開発した会社の所在地から「札幌式トイレ」と呼ばれる。
●エムズジャパンHPより http://www.msjapan-inc.com/
動作制約や移動制約のある人たち、右きき、左きき、等々、人を分けず「みんなが使えるトイレ」が出来ました。便器への乗り移りの位置どり、姿勢は、各人様々なので、多くの場所で回転できるように、床を平らにし、壁・床を平らにし、壁・床からの突起物をつくらないようにしています。
■名古屋式
名古屋市では災害に備えて、市内の全ての市立小学校に地下式給水栓を、下水道が整備されている地域の避難所に下水道直結式仮設トイレを整備しています。これら施設は地震などで水道が断水したり、トイレが使えなくなったりした場合に役立つ施設で、お客さまご自身で操作や組立を行っていただくものです。そのためには日頃の防災訓練などで操作の仕方や組み立て方などを経験しておくことが大変重要になります。