KIZUNA8 | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

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阪神淡路大震災から15年・・・


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神戸市長田地区は、阪神大震災で被害を受けた地区です。その商店主たちが集まったときに、当時たまたま執筆50周年を迎えていた「鉄人28号」にちなんで、震災復興・地域活性化のシンボルとしてモニュメント像建設の話がもちあがった。プロジェクトが記者発表されたのは2006年5月。紆余曲折いろいろあったが、2007年にはNPO法人「KOBE鉄人PROJECT」を発足させた。その後、さまざまな地域活性化活動を行なって、実現にこぎつけた。この鉄人像は、同NPO法人の成果の中心と位置付けられるもので、費用は1億3,500万円。うち、4,500万円を兵庫県神戸市が補助。残りは個人や企業から協賛金を募って工面した。「鉄人」の原型を製作したのはアニメのロボットや怪獣などのフィギュア作品で著名な速水仁司氏。速水氏のデザインを可能な限り生かす形で各パーツは製造された。鉄板を可能な限り薄くして軽量化し、かつ、十分安全性を保つ強度となっている。製作したのはこのプロジェクトに協賛した大阪府岸和田市の金属加工会社・北海製作所。できるだけ安価にすむようにしたという。


2010年1月17日、「鉄人」完成のニュースもあって、長田区へと向かった。久しぶりのモニュメント・ウォークをするべく、鉄人を横目にしながらJR鷹取駅まで。


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すっかり新しくなり美しい駅になっていた。


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駅近くの公園には、震災当時のモニュメントが残されている。


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目的地は・・・


「たかとり教会」の両手を広げたキリスト像は、震災で施設の大半が焼失した中、焼け残った。約二千平方㍍の敷地内には、プレハブ小屋が並び、一見しただけでは教会とは分からない。映画に出てくる野戦病院のような、あるいは学園祭の模擬店を集めたような外観。1927年に出来た教会。建ち並ぶ小屋は、被災地支援の活動拠点として建設され、現在は地域放送局やNGOの拠点になっている。教会のシンボルとも言える聖堂はまだ再建されていない。聖堂跡には紙製の円柱で構成された集会所「ペーパー・ドーム」があり、全国から建築関係者らが珍しい建物を一目見ようと訪れる。「ペーパー・ドーム」は「全国から集まったボランティアと地域の出会いの場」(神田裕司祭)の中核施設として震災のあった1995年9月に建設された。58本の柱とはりが紙製で、柱は直径30センチ、高さ5メートルで中空の構造。巨大なファックス用紙の芯と考えれば分かりやすい。元々は国連高等弁務官事務所が難民用シェルターとして研究していたもので、学生ら延べ1000人のボランティアの手作り。多国語コミュニティー放送局「FMわいわい」は震災1周年の96年1月17日に開設された。言語のハンディを負う外国人にも平等に情報を提供しようとの試みだった。現在は会社組織に変更され、地域情報の発信基地になっている。阪神大震災は宗教も人種も年齢も超えて、人々が助け合う貴重な体験をした。この教会は今も、地域の人々とボランティアが「多文化共生」を復興の理念に掲げて行動する最前線である。


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建築家・坂茂さんの活動に大いに興味を持つことになった。


マイノリティ、弱者の住宅問題に鋭い関心を寄せ、ルワンダの難民キャンプのためのシェルターを国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に提案し開発・試作した。また1995年の阪神大震災後の仮設住宅や教会の集会所を「紙(紙管)」で造った。トルコ、インドで起きた地震に際しても仮設住宅の建設を行った。2005年、津波災害をうけたスリランカ、キリンダ村で復興住宅、また2008年大地震の被害に遭った中国四川省の小学校の仮設校舎を建設した。


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そして、ノマディック美術館を知ることにもなった。


ノマディック美術館(The Nomadic Museum)

グレゴリー・コルベールの写真・映像作品展“Ashes and Snow”のために造られた移動式建造物。インスタレーション。名前のノマディックは遊牧を意味し、建築の規模や形状などは移設場所によって少しずつ異なる。グレゴリー・コルベールは、維持可能な巡回美術館というコンセプトを1999年に発想した。作品展が世界を旅するのに伴って、各地の港で簡単に組み立てられ、決して一箇所にとどまることのない環境をもたらす建造物を造るという構想だった。Ashes and Snowの初めてのエキシビションは、2002年、イタリアのヴェネツィアにあるアルセナーレで開催され、この会場が、コルベールが構想するノマディック美術館のデザインと建築のインスピレーションとなった。ノマディック美術館は世界各地を巡回するのに合わせて、建築デザインも進化してきた。初代のノマディック美術館は2005年3月、ニューヨークのハドソンリバーパークに建てられた。設計は日本の建築家である坂茂が手掛け、紙管とともに現地で調達した大量のコンテナを使うことで建設を容易にし、建物が「移動する」というコンセプトを打ち出した。2006年3月、カリフォルニア州サンタモニカに移築。2007年3月には東京のお台場に移築された。