イグルー(2)
■東海大学芸術工学部(旭川キャンパス) の独自プロジェクトである『アイス・パンテオン・プロジェクト』
氷の神殿:アイス・パンテオン(ローマの歴史的建造物パンテオンのドーム直径に匹敵するスパン約40mの巨大アイス・ドーム)の建設実現に向けた、東海大学 芸術工学部 建築・環境デザイン学科の学生が主体となって実施する挑戦的なオリジナル・プロジェクトです。
学生と教員が協力し、数年間の継続的実施で施工技術を継承しながら、徐々に規模を拡大しながら最終目標として、世界初のアイス・パンテオンの建設を目指します。研究にも繋がる取り組みでありつつ、社会・世界に向けた活動であり、建設作業を通して積雪寒冷地の旭川だからこそ可能な建築・空間を体験するとともに、参加・完成の達成感をも体験しようというものです。
2008 年度(2009 年冬季)は、先ず第1段階として、東海大学 旭川キャンパス中庭にスパン10mのアイス・ドームを建設しました。2009年度はスパン15m、2010年度はスパン約20mのアイスドーム建設にチャレンジしました。
■アイス・ドーム
東海大学芸術工学部の粉川牧(こかわつとむ)教授が1980 年代初めに考案・開発した、氷を材料とする薄肉の曲面板構造体であるアイス・シェルによるドーム構造であり、平面空気膜を型枠として低温環境下でシャーベット状の雪氷を積層する独自の工法は、学術誌でも粉川式アイス・ドームとして紹介されています。占冠村のトマム・リゾートや旭川市の酒造会社などでも使用され、北方地域ならではの「冬のアクティビティ」に対応する実用的な氷構造物として認知されています。
■パンテオン
ローマ時代の石造建築で、上部は直径43mの半球ドームになっており、歴史上約1800年もの長い期間、世界最大級の無柱空間であり続けました。
■東海大学工学部建築学科のキャンパスストリートプロジェクト(C.A.P.)
「ひらつかビーチハウスプロジェクト 2010」として湘南ひらつかビーチパーク横にビーチハウスをオープンし、来場者を対象に、様々なイベントを開催しました。いつもはビーチでトンテンカンやるのだが、これはあらかじめ学内で製作して海岸に運搬。足場を組んでから、10人ほどでマジックハンドを伸ばすようにグイッと立ち上げたものです。名前は・・・珊瑚ドームだそうです。本企画は神奈川県、平塚市の協力を受けC.A.P.が主催して実施したもので、4年目を迎えました。地域活性化を実践しているキャンパスストリートプロジェクトTCDI(東海大学コミュニティデザイン研究体)チームの総勢約50名の学生が中心となり、ビーチハウスの設計・施工から管理運営までを行い、平塚市民と共に平塚の魅力を再発見し、理解することを目標としたものです。ビーチハウスのテーマは「砂浜のスタジオ」。スタジオにはアーティストの仕事場という意味があり、ビーチハウスを「創り出す場」として位置付け、人と人との間にも親密な関係を生み出す空間づくりを目指しました。また、デザインコンセプトである「珊瑚ドーム」を冠した独特なフォルムは、海の中で魚達が集まる珊瑚のように、平塚海岸の夏のランドマークとして多くの人々を迎えました。
本物の珊瑚でドーム・・・
珊瑚そのものが・・・ドーム。