スタードーム(58)
■ドイツ連邦議会議事堂
ドイツの首都ベルリン・ミッテ区にある議事堂。1894年から帝政ドイツ、ヴァイマル共和国を通じて下院の議事堂として機能したが、1933年に不審火によって炎上した。1999年に修復され、現在はドイツ連邦議会の議場が置かれている。修復の設計を担当したのは1992年の建築設計競技で勝利したイギリス人建築家ノーマン・フォスターである。ただし、当初の案にあった、議事堂とその前の広場すべてを覆うガラスの巨大な平屋根などは変更されて現在の姿になった。修復工事では、外壁以外のすべてが一旦取り払われるほどの大改造を受けた。中央の巨大なガラス張りのドームは19世紀末の議事堂建設時のガラスドームの存在を意識しているが、シンボル的かつ斬新なデザインで、国会議事堂の見学に訪れる観光客も非常に多い。ドーム中は見学者のための通路がめぐらされており、屋上からはベルリン市街が望め、かつ眼下に議場がのぞけるようになっている。また、ガラス張りの議場にも上のドームから天然光が降り注ぎ、石造建築の屋内にもかかわらず開放感があり、ドーム内の見学者にもいつでも会議を見せて開かれた議会政治をアピールしている。ドームのガラスは太陽の動きにあわせて常に角度を変え、直射日光を議場に入れず、かつ議場を常に明るい光で満たすようプログラミングされている。ドームはベルリン観光の目玉である。セキュリティーチェックは厳重であるが、観光シーズンには入場待ちの長蛇の列ができる。午後10時までも開館しているということからドイツが如何に開かれた政治を目指しているかが理解出来る。また、国会議事堂内部は明快で簡素な現代風オフィスとなっており、重厚さや重苦しさ、閉鎖的な印象はない。大きな壁面を利用したりして現代美術家たちの作品が各所に展示され、さながら現代美術館のようになっている。これらすべてを含め、環境に配慮し文化的で、軽快で、市民に開放された今日のドイツ政治を議事堂の建物自体が象徴しているといえる。
■30セント・メリー・アクス(30 St Mary Axe)
イギリスの首都ロンドンの金融中心地である、シティ・オブ・ロンドンのセント・メリー・アクス通り30番地に聳え立つ超高層ビルの名称。非公式にはピクルスに使用する小さいサイズのキュウリを意味する「ガーキン(The Gherkin)」として広く知られ、またビルを所有する再保険会社にちなみ、時にスイス・リ本社タワー、スイス・リ本社ビル、スイス・リ・センター、もしくは単にスイス・リ本社と呼ばれることがある。ビルは180メートル(590フィート)の高さを誇り、シティ・オブ・ロンドンではタワー42に次いで2番目に高い建物であるほか、ロンドン全体では6番目に高い建造物である。ビルは主にプリツカー賞を受賞した建築家、ノーマン・フォスター卿と、彼の元同僚建築家であるケン・シャトルワースにより設計されたものである。ビルは2001年から2004年の3年間で、スウェーデンに本社を置く建設会社、スカンスカ社指揮の下に建設された。
■大英博物館
イギリス・ロンドンにある博物館である。世界最大の博物館のひとつで、古今東西の美術品や書籍など約700万点が収蔵されている(うち常設展示されているのは約15万点)。収蔵品は美術品や書籍のほかに、考古学的な遺物・標本・硬貨やオルゴールなどの工芸品、世界各地の民族誌資料など多岐に渡る。イギリス自身のものも所蔵・展示されている。余りに多岐にわたることから、常設展示だけでも一日で全てを見ることはほぼ不可能である。世界中の博物館との連携による巡回展計画や途上国の博物館への技術協力なども進められている。教育計画も充実しており、学校との連携した教育計画、家族向け教育計画、成人向け教育計画、障害者や移民・亡命希望者など社会的弱者のための教育計画などがある。また、「アジア美術修了証書」という大学院修士課程水準の教育過程も博物館教育計画の一環として提供されている。来館者の約56%が外国人観光客といわれている。屋根中庭(グレート・コート)はノーマン・フォスターの設計である。
■グレート・ロンドン・オーソリティー・ビル(ロンドン市庁舎)
もちろん・・・ノーマン・フォスターの設計である。
■ミラノ・ガレリア
1867年にイタリア統一を記念して造られた都市の商業空間。第二次世界大戦の時に破壊されてしまいましたが、1955年にもとの姿で完全に復元されました。鉄とガラスで架けられた屋根を持つアーケードは、南北に197m、東西に105mの通路からなり、これらの通路が十字形に交差しています。交差部には八角形の広場があり、この上部に、直径38mのガラス張りの円蓋(クーポラ)がのっています。クーポラの頂部は49mにも及びます。
・・・そして、なんとこのガレリアを模したドームが高松にあった。
■高松丸亀町商店街ドーム(香川県高松市)
香川県高松市は人口42万人、商圏人口55万人の地方都市、香川県の県庁所在地である。中心部には三越、天満屋の2つの百貨店と約800店舗の専門店で構成された商店街があり、その中心市街地にある丸亀長商店街は高松市中央商店街の中心的な商店街である。南北に全長470メートル、北から順番にA街区、一番南側がG街区と名付けられている。町の名称の由来は、約400年前に西の丸亀市から町人が移ってきたことによる。平成18年12月、丸亀町A街区再開発ビル「高松丸亀町壱番街」が完成。中央商店街北部三町ドームを撤去し新三町ドーム、イタリア・ミラノの「ガレリア」に匹敵する本格的なガラスドームの広場が平成19年6月に完成した。このガラスドーム広場では、毎週さまざまなイベントが行われるが、12月6日の第9大合唱を皮切りにウィークエンドライブ、キャンドルナイト、ゴスペルコンサート、オペラライブ、アートマルシェ等のクリスマスイベントが行われる。年明けの1月2日には新春餅つき大会もこのドーム内で行われる。アーケード・ドームの設計は、坂倉建築研究所・大阪事務所である。
●坂倉準三(1904年5月29日 - 1969年9月1日)
日本の建築家である。ル・コルビュジエに師事し、モダニズム建築を実践した。1937年のパリ万国博覧会では、日本館の設計を手がけ、日本のなまこ壁を思わせるデザインとモダニズムの理念を統合し、海外でも高い評価を受けた。