茶室考(2)
【蹲・蹲踞(つくばい)の構成】
一般に、使用するのにつくばう(しゃがむ)必要のある高さのものをつくばいと言うが、茶室に添えられる本格的なつくばいは、「手水鉢(水鉢)」を中心に、「前石」「手燭石」「湯桶石」(この3つの石を“役石”という)、「水門(海)」で構成されている。
■手水鉢(ちょうずばち)水鉢(みずばち)とも。茶事の時に客人は席入りする前にここから柄杓一杯の水をとり、手を洗う事によって身を清める。
■前石(まえいし)手水鉢の手前正面の石。手水を使う際に乗る。(その更に手前に石が置かれている場合がある。飛石という。)
■手燭石(てしょくいし)手水鉢の左側の石。夜の茶会時に灯り(手燭など)を置く。
■湯桶石(ゆおけいし)手水鉢の右側の石。冬など寒中の茶会時に湯桶を置く。
■水門(すいもん)海(うみ)とも呼ばれる。手水鉢と役石に囲まれた低い部分。こぼれた手水を受けるために、砂利などを敷き詰めている。
■竜安寺・知足の蹲踞
茶室蔵六庵の露地にある。蹲踞は茶室に入る前に手や口を清めるための手水を張っておく石のこと。ここの蹲踞には「吾唯足知」(われ、ただ足るを知る)の4字が刻まれているが、その意味合いから石庭の石が「一度に14個しか見ることができない」ことを「不満に思わず満足する心を持ちなさい」という戒めでもあるといわれる。また水を溜めておくための中央の四角い穴が「吾唯足知」の4つの漢字の「へん」や「つくり」の「口」として共有されているのが見どころであり、そのため一見「五・隹・疋・矢」と読める。徳川光圀の寄進と伝承されているが、一般拝観者が見ることのできるものは複製である。
SAV母屋玄関横にある水場の蹲を整備しました。
水場から「青の画室」に向かうところに丸敷石を埋めてあります。
水道蛇口とホースが目障りなので、なんとかしたいものです。