デュシャン考(6)
私の自転車好きは、女学生がスカートに風はらませて堤防の上を自転車で・・・というイメージからです。
さらに、私の世界を広げてくれた最初の乗物でもあるわけです。
車輪をイス?に取り付けたデュシャンの作品があります。
車輪は動いてこそなのですが、イスに取り付けることによって、まるで時間が止まってしまったような・・・
自転車のまつわる様々な思い出や出来事が、私の中で走馬灯のように・・・
デュシャンの車輪が、タイムトンネルのように思えてなりません。
サーカスを見ているような、メリーゴーランドに乗っているような・・・
時には、海辺であったり・・・
川沿いの堤防であったり・・・
車輪には、夕暮れがとても似合う。
昼と夜のわずかな隙間・・・
細いスポークが張りめぐらされた車輪の、うすっぺらな空間。
そして・・・やがて現実に引き戻される。