３月３日、１０時。菊乃から留学生モデルが料亭前に歩み出た。
その様子を一目見ようと、次から次へと人々が集まる。
人の波は、暗くなるまで絶えることはなかった。
圧巻は、料亭前でのデモンストレーションであった。人々はモデルを追って、「染たつ資料館」へと流れる。
資料館で眼にする各国の写真、染められた布に溜息をもらす。そして、「まよ子」と安子のコラボレーションは、賞賛を浴びた。
安子は、出会った人々のこと・風景や情景についての思いをコメントに記した。
展示の最終章として、天谷達人が残した遺産が、今も世界的に受け継がれ、調査研究が進められていることの中間報告、そして何よりも・・・
私たち「ルビン・シスターズ」を生んでくれたことへの、感謝の辞が記されていた。
【御礼】長らく「まよ子」にお付き合いありがとうございました。「真横画」への興味関心から「横顔」を追い続け、その調査研究プロセスをフィクション「まよ子」という物語形式で書き綴ってまいりました。かなり強引な展開やつじつまの合わない箇所も多くあり、たいへん読みづらかったのではないかと・・・お察しいたします。これまでの記述を再構成し「まよなか科」教科書とする予定でございます。引き続き・・・プログをお楽しみください。店主