その一つが救世観音像である。
像高178.8cm、手には全ての願いが叶うという宝珠を持つ。聖徳太子の等身大と伝えられ、数百年間も白衣に巻かれた秘仏であったが、明治17年フェノロサにより開扉されたといわれている。
実際には秘仏であるから、このように全身を拝むことはできない。薄暗い夢殿の中を眼をこらして・・・まるで見てはならないものを見たという気分にさせられる。
いろいろ調べて横からの画像を見て驚いた。光背が頭にグサリ・・・なのである。
顔の表情は別として、横のラインは百済観音に引け劣らない。
大阪府河内長野市・・・そうSAVにもっとも近いお寺「観心寺」にある秘仏「如意輪観音坐像」である。これまた秘仏であるが・・・仏像の概念を打ち砕かれた。第一印象は・・・弁天様である。こんな色っぽい仏像があって良いのかと思うほどに驚いた。
白黒画像しかないのがくやしいけれど、ちょっと横から見るとますます色っぽい。宝珠を持つ手が・・・まるで乳房を持っているようにも見える。
如意輪観音 日本では「如意輪観音菩薩」、「如意輪観世音菩薩」、「大梵深遠観音」などさまざまな呼び方があるが、重要文化財等の指定名称は「如意輪観音」となっている。また「救世菩薩」とも呼ばれる。如意輪観音像は、原則として全て坐像または半跏像で、立像はまず見かけない。片膝を立てて座る六臂の像が多いが、これとは全く像容の異なる二臂の半跏像もある。六臂像は6本の手のうちの2本に、尊名の由来である如意宝珠と法輪とを持っている。日本における如意輪観音の作例のうち、大阪・観心寺本尊像は六臂像の代表作である。平安時代前期・9世紀の作。像高108.8cm。六臂(手が6本)の密教彫像。右脚を立て膝とし、6本の手のち、右第一手は頬に当てて思惟相とし、第二手は数珠、第三手は胸前で如意宝珠をそれぞれ持つ。左は第一手に蓮茎、第三手に法輪をそれぞれ持ち、第二手は地に触れる。木造の上に乾漆を厚く盛り上げて、肌の柔らかい感触を表現しており、日本の仏像にはあまり類のない神秘性と官能性が感じられる。長らく秘仏であったため、保存がよく、表面の彩色や文様もよく残っている。金堂の本尊である。