暮れ染め(2)
鉄媒染液ができるまでの作業として「番傘」づくりを・・・手元にインテリア用の小さな番傘?があったので、これに柿渋を塗ってみることにする。
柿渋は防水効果があるので、番傘に塗られていたという。下級武士が内職で傘張りをしていたらしいが、そんな気分にさせられた。貧乏長屋は、この柿渋の臭気に満ち満ちていたかと思うと・・・ちょっと寂しい。
さらに、「立湧」作品に縞模様を加えていく。
この灰は、何かの役に立つだろうと・・・ 薦被りの酒樽に巻かれていた筵状のものや縄を燃やしたものである。渋染を調べていると、その昔、柿渋に「縄灰」を混ぜて外壁に塗っていたという解説を発見し、一度試してみようかと思い立ったのである。
灰は、アルカリ性のはずである。ソ-ダ灰で黒く発色したのだから、当然この灰でも黒くなるはず・・・少し黒ずんだように見える。
外壁ではなく、新しい布に塗布してみることにする。
模様は「立湧」であるが、今回はかなり小さな模様に描いた。柿渋のままよりも黒っぽくなっている。とにかく、乾燥するのを待って、天日干ししてみないとその効果はわからない。