きらっ(219) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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藍の品種(3)


若い芸術家たちの作業場◆すくらんぶるアート     ヴィレッジ◆支援してくださる方々の芸術村-白花小上粉

「白花小上粉」です。藍の品種を調べていると、いろいろな地域の藍情報を知ることができました。


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天然の藍草から色をいただく藍染、その技法を今も守り続けているのが郡上本染です。郡上の町で藍染がはじまったのは、今から430年ほど前、城下町が築かれた頃のこと。豊かで清らかな水が、藍の色をより深く、鮮明にすると言われています。


若い芸術家たちの作業場◆すくらんぶるアート     ヴィレッジ◆支援してくださる方々の芸術村-ぐじょう2


■郡上紬 郡上八幡には、古くから郡上織と呼ばれる織物の伝統が受け継がれてきました。昔、この里に落延びた平家の落武者たちが、野生の蚕糸を使い、都の感覚で織り始めたのが発祥といわれています。風土の持つ素朴さに大宮人の優雅さを加えたこの織物も、江戸期に入ると急速に衰え、その後は農家の自家織として、細々とその技術が伝えられてきたに過ぎません。この郡上織の伝統を、戦後、見事に蘇らせ、「郡上紬」として再興、発展させたのが宗広力三氏です。氏は戦前は県下の青年開拓活動のリーダーとして活躍、戦後も青年達を率いてこの地に開拓の根を下ろしました。食べるものとて無い極貧の生活のなかで、郡上織を見出し、不屈の闘志で現在のように豊かに開花させるまでに至っています。しかし、それまでの苦労は筆舌に尽くし難いほどでした。昭和22年、浅井修吉氏(初代京都染色試験場長)の協力を得てエリ蚕の飼料であるヒマと神樹を植樹。しかし、その年は日照り続きで発育せず、数年かけて自ら品種の改良も行い、ようやくエリ蚕の飼料に使えるようになりました。技術的にも農家の土蔵や屋根裏に放置されていた江戸時代の高機を手直しし、残されていた古い縞帳を参考に研究を続けました。その後も宗広氏自身で納得の出来る色、柄、織りを作り出すための苦労は続き、今、その苦労も報われる程の郡上紬が世に出る事になったのです。郡上紬の柄は、昔からこの地方に伝わる普段着(民衆の仕事着及び街着)の伝統を基本にしたものです。縞・格子・横段・無地を中心とし、いつまでも飽きのこないしっくりと着て頂ける落ち着いた柄行が特長です。また草木染めを採用し、丹念な色出しから生まれる、独特なくすみのある中にも深味のある色は、作品にそこはかとないあたたかい味を感じさせ、全国に多くのファンを生んでいます。郡上紬の経糸には、節糸の玉繭が使用されています。これは郡上紬独特のもので、織りにくさという難点にもかかわらず、織り上がりの美しさという点を評価して、特に採用されているものです。郡上紬では、この経糸にかける撚りが大きなひとつの勘所とされています。また、緯糸には春繭から採った本真綿の手紡ぎ糸が使われます。また高機で織るのも、郡上紬の特徴です。昔ながらの繊細な感触を持つこの織機で、すべて、手織りによって織られる紬は、織る人の性格がそのまま現れるといわれます。郡上紬の深味のある色合いは、独特の草木染めから生まれます。黄は刈安、黒は阿仙薬(カチキュー)、紺や青は、藍などこの地方に産する天然の植物を使い(藍は徳島産のものとミックス)、何回も何回も数を重ねて染め上げる手法がとられています。このように徹底して染めに時間をかけ、コクのある、そして堅牢な色に仕上げていくのが郡上紬の特徴です。なかでも刈安と呼ばれる植物は、この地方の同名の場所に群生していたとされ、まったく異なった渋味のある黄色が得られ、郡上紬の味わいにもなっています。



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■郡上八幡で『第40回作業公開/郡上本染・鯉のぼり寒ざらし』

2009年1月20日(火)、2月1日(日)、郡上八幡で『第40回作業公開/郡上本染・鯉のぼり寒ざらし』が行なわれました。郡上市八幡町の吉田川・宮ヶ橋の上流で行なわれる、郡上八幡の冬の風物詩。岐阜県の重要無形文化財に指定された「郡上本染」の「カチン染め」の手法で染め上げた鯉のぼりを清冽な吉田川の水にさらし、布に付いた糊を洗い落とす作業。冷たい水にさらすと布が引き締まりいっそう美しくが発色するといい、古来から厳寒の時季に行なわれています。1回目が1月20日(火)13:00~14:00に、2回目は2月1日(日)11:00~12:00。郡上市八幡町立町の「渡邊染物店」(TEL0575-65-3959)に立ち寄れば風呂敷など「郡上本染」の製品を購入することも可能です。水の町・郡上八幡のシンボルである町を流れる用水は、吉田川から水を引いたもので、今も現役の生活用水として使われています。郡上八幡城下町プラザ→名水百選『宗祇水』→宮ヶ瀬橋→やなか水のこみち(吉田川の玉石8万個が敷かれるポケットパーク)→いがわの小径(江戸時代の用水路)と巡るプランがいいでしょう。名古屋圏からなら日帰りの小旅行にも最適です。


若い芸術家たちの作業場◆すくらんぶるアート     ヴィレッジ◆支援してくださる方々の芸術村-ぐじょう4

SAVのこいのぼりを早く染めたいものです。

■郡上本染(岐阜県郡上市)