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バティック


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偶然ですが、バティックの道具チャンチンを入手することができました。


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■バティックはインドネシア語で沢山banyakの「ba」と点titikの「tik」の造語で「Batik」と呼ばれる様になった説と、古ジャワ語の彩色する「Batihik」が転じたともいわれています。Batikと呼ばれるようになったのは20世紀に入ってからですが、18世紀後半には知名度は既にヨーロッパに伝わり、20世紀半ばロウケツ染めを総称してBatikといわれるようになりました。また、ロウ引きに使う道具チャンティン は世界共通語になっています。「点」は生命の細胞であり生命を維持する米粒でもあると工房の職人さんたちはいいます。

■起源は8世紀頃にさかのぼりインド更紗(さらさ)といわれていますが、その技法は未熟で、現在の緻密な作業を要する技術とは大きな開きがあったようです。インドネシアで独自の制作が始まったのは17世紀、あるいはそれ以前の中部ジャワ島と推測されます。バティックがジャワで開花した大きな要因は中部ジャワ島のジョクジャカルタとソロの王族貴族が愛用していた事から技術が向上し、伝統染めとして伝授されてきました。また、技術は女性達の手仕事として親から子へ代々伝えられてきました。現在もロウ引き作業は女性達の仕事です。時代の流れと共にバティック工房はジャワ島の他の地域にも広がり地方色が生まれました。現在もインドネシアの暮らしには欠かせない布として愛用されています。日本では古くから「ジャワ更紗」という名で親しまれています。

■ロウケツ染めは布の両面をロウ線でブロックして色を区分する防染です。加熱ロウをすくって先の細い管から流れ出るロウで線を描いたり面を塞いだりする道具をチャンティン(インドネシア語でヒシャクの意味)といいます。管の太さは0,1~3cm程、全体の長さは持ち手から管先まで12cm程です。
■バティックはこんな順番で作られています。

1.下描き

2.表裏とも、輪郭を蝋描きする。

3.表裏とも、装飾模様を蝋描きする。

4.表裏とも、地模様を蝋描きする。

5.第1回目の染色で染めない場所を伏せ蝋する。白場を作る場合は、地全体を伏せ蝋する。

6.色数によって、数十回の浸染、洗いを繰り返し、干す。そのつど、蝋落としを行う。

■バティックの種類

①トゥリィス(Tulis)

最初から仕上げまで手描き作業なので布の裏面もロウ線と色が鮮明で表裏の判断が難しいほどしっかりと模様が描かれています。シルク、木綿布は上質です。

②チャップ(Cap)

真鍮製のスタンプ版で加熱ロウを均等に付着して手作業で布上にプレスします。連続模様や縁模様などに多く使われます。スタンプのカケやいびつな線が模様の同じ場所にあることもあります。

③コンビナシー(Kombinasi)

チャップと手描きの組み合わせです。スタンプで押した模様の一部に細かな点や線を手描きで加えるので確認は最も難しい技法です。模様の同じ場所にスタンプの模様が欠けていたりモチーフの中の線や点が多少揃っていなかったりします。

④チェタク(Cetak)

機械プリントです。布の裏面は線が抜けていたり彩色もかすれていたりします。布が上質でない為に仕上げにノリ付けされる場合が多いのでゴワゴワ状態で安価です。しかし、機械プリントでも上質な木綿の切り売りもあります。


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この職人さんたちの手つき・・・そのものが芸術だなあと感心します。