きらっ(19) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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つくりま専科「アルミ鋳造」


ちゅうぞう1


アルミ地金が少なくなってきましたので、アルミ缶を使ってみることにしました。そこで、アルミ缶についていろいろ調べてみると・・・


■スチール缶のふたもアルミです。 このアルミの量は、缶に使用されている全アルミ量の1/3にものぼります。スチール缶の生産量の方が圧倒的に多いですから非常にたくさんの貴重なアルミが使用されているのです。スチール缶は、鉄のスクラップとしてアルミ合金製の蓋がついたまま、炉で溶かされます。その際、比重の違い(鉄は7.9、アルミは2.7)によって、軽いアルミは炉の上部に浮いてきますので容易に分離することができます。分離されたアルミは、アスファルト舗装などに再利用されています。また、製鉄炉で溶かす際、アルミの酸化により発生する熱で、エネルギーの節約にもなります。

■アルミの中にちょっとでもスチールが入るとアルミの純度が落ち、価値が一気に落ちてしまうこともチップ化の大きな原因です。故意か偶然か何かはっきりしませんが、アルミ缶のプレスブロック品の中に鉄がどっさり混ざっていることがあります。外から見てもわからないようにちょうど真ん中あたりに入っていますから、業界ではこれを饅頭にたとえてアンコと呼んでいます。

■どうの部分には塗装が施されており、これが溶解したときの不純物となり、アルミの純度を落とします。塗料はバインダー(接着剤)と顔料(色素)からなっています。溶解炉の中は約700℃であり、接着剤は蒸発してしまうので問題はありませんが、顔料についてはチタン(白色)やカドミウム(黄色)などのようにアルミニウムの融点に近いものは再生地金の中にとけ込んでしまい、不純物となって質を落としてしまいます。塗装を落とす方法はいくつかありますが、設備が高額でリサイクルという観点からみると採算的に難しい問題があります。
アルミ缶のふたのアルミは#5000系のアルミです。胴の部分のアルミは#3000系のアルミで、どちらも良い材質です。ふた部分は、不純物が少なく溶解したときのアルミ純度が高いため、どう部分のアルミに比べ引き取り単価は高くなります。ふたのプルトップ部分は開けやすいように、サクッと切れるマグネシウム合金(4~5%含有)。どうの部分は一枚の板から深絞り加工で成形しますので、柔らかく粘りけのあるマンガン合金(1~1.5%含有)が要求されます。こういった事情で、それぞれが違った性質のアルミが使われているのです。

■アルミ缶のタブを集めると車椅子をもらえるという活動をされている団体もあるようですが、現在のアルミ缶はタブが散乱しないように、開栓しても缶からタブが取れないように作られています(これをステイオンタブ、略してSOTといいます)ので、無理にタブを外すのは危険です。アルミ缶はタブも胴も蓋も同じような系統のアルミ合金で出来ていますので、そのままリサイクルできます。また、使用済みのアルミ缶は、重量に基づいて売買されていますので、タブだけよりもアルミ缶そのものの方が1個あたり約40倍の価値があります。タブを外さずにリサイクルに出してください。

■ボトル缶は、胴体も蓋もアルミという単一素材で出来た容器ですので、蓋もリサイクル出来ます。内部に水分が残っていると塗料の焼き取り工程で水蒸気爆発(水は水蒸気になると体積が約1,700倍になるので、500mlボトル缶に0.5ml程度の水分の残留で爆発することがある)を起こして危険ですし、蓋をしてあると中の空気が反発して減容化する(潰して小さくすること)のが困難になりますので、蓋を外してリサイクルに出す必要があります。

■600℃以上の高温で溶けたアルミの中に水分が入ると水蒸気爆発といって非常に危険な事が起こります。水蒸気の勢いで融けたアルミが飛び散ることをもあるそうです。“リサイクル”と言ってアルミ缶を使う時にはよく乾燥させてから炉に入れなければなりません。飲み残しの缶が混ざっていたりしますと危険ですので、これを避けるために細かく切って水分のないことを確かめてから炉の中に投入します。


水蒸気爆発については、十分な注意が必要ですね。さて、アルミ缶のふた部分は純度が高いということもわかりましたので、今回はその部分だけを溶かしてみました。


しかし、よほど大量に溶かさないと鋳造に必要な量に達しないことがわかりましたので、ボチボチ溜めていくしかないようです。


ちゅうぞう2

残り少ないアルミ地金を使用して、発泡スチロール型による狛犬?を鋳造しました。実は、カエルを作る予定だったのですが、発泡スチロールが縦長だったもので、結果として狛犬になってしまったのです。


ちゅうぞう3

発泡スチロールをカットした部分まで完璧に出ていて、鋳造のすごさを再認識しました。


ちゅうぞう4

犬つながりで・・・我が家の迷犬ラムちゃんのお散歩リードが切れかけてきたので・・・


ちゅうぞう5

丸四つ編みでリードを作ってみました。


ちゅうぞう6

うれしいワン。