どきっ(34) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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古時計・・・


ふるど1


大きなのっぽの古時計 おじいさんの時計
百年いつも動いていた ご自慢の時計さ
おじいさんの生まれた朝に 買ってきた時計さ
今はもう動かない その時計
百年休まずに チクタクチクタク
おじいさんと一緒に チクタクチクタク
今はもう動かない その時計


ふるど2


NHK総合テレビ特番『平井堅・楽園の彼方に ~アメリカ”大きな古時計”を探して』(2001年8月放映)で熱唱し、放送直後から問い合わせが殺到した1870年代のアメリカ童謡「Grandfather's Clock」(「大きな古時計」)を、企画盤マキシシングル“Memorial Autumn Edition”と銘打ってリリース。子どものころ母親が歌ってくれた懐かしい思い出を胸に、亀田誠治のプロデュースでソウルフルに歌う、愛犬PAULに捧げた追悼バラードなど、心温まるナンバーが、飾らない素直な気持ちを呼び戻してくれる。ジャケット写真には、平井堅が小学4年生の時に描き、三重県名張市学童展にて金賞を受賞した自宅の古時計の絵が使われている。


ふるど3


「大きな古時計(Grandfather's Clock)」は1876年H・C・ワークが44歳の時に初めて出版されました。この曲の誕生には2年前のイギリス巡業の時に泊まったホテルでのエピソードが大きく関わっているようです。ワークは1874年に劇場公演のツアーに加わるためにイギリスに渡ったとき、ダーラム州ピアスブリッジ(Piercebridge in County Durham)にあるジョージ・ホテル(George Hotel)に泊まりました。彼はそのホテルに置かれていたロングケース・クロック(long-case clock)に目が留まり、動いてもいない古びた時計が何故おいてあるのかホテルの主人に尋ねると、その主人はあるエピソードを語り始めたのでした。ワーク氏が訪れる数年前まで、ジョージホテルはジェンキンズという二人の兄弟によって所有されていました。彼らは生涯独身でしたが、地元の人々からの信頼も厚く人付き合いのいい兄弟でした。ジョージホテルのロビーには、ジェンキンズ兄弟のお兄さんが生まれた日に購入された2mを超える大きな木製の時計が置かれていて、ジョージホテルの顔となっていました。その時計の正確さには定評があり、宿泊客が馬車の出発の時刻を知るのにとても役に立っていました。時間がずれたりすることは一日もなく、1年中正確な時を刻み続けていたそうです。


ふるど4

ある日、ジェンキンズ兄弟の弟が病に倒れ、そのまま亡くなってしまいます。すると、今まで正確に動いていた大きな時計の時間が急に遅れ始めてきました。最初はほんの数分程度の遅れでしたが、弟さんの葬儀が済んだあとになると、修理士さんが注意して管理していたのにもかかわらず、その時計は徐々に遅れの度合いを増し始め、ついには一日に15分も遅れるようになってしまったそうです。


ふるど5

弟さんの死から1年以上経過したある日、後を追うように今度はお兄さんが亡くなります。彼の死を聞きつけてホテルのロビーに集まった彼の友人たちは、大きな時計を見て騒然としたといいます。というのも、時計の針は11:05つまり彼の死の瞬間の時刻を指し、動いていたはずの振り子もその動きをまったく止めてしまったのです。弟さんの死から1年以上経過したある日、後を追うように今度はお兄さんが亡くなります。彼の死を聞きつけてホテルのロビーに集まった彼の友人たちは、大きな時計を見て騒然としたといいます。というのも、時計の針は11:05つまり彼の死の瞬間の時刻を指し、動いていたはずの振り子もその動きをまったく止めてしまったのです。ワーク氏は、ジョージホテルのオーナーから聞いたこの話から強いインスピレーションを受け、その日一晩中寝ずにこの逸話についての曲を書き上げ、「My Grandfather's Clock」という曲として発表しました。ジェンキンズ兄弟は結婚していませんでしたので、彼は作詞にあたって、彼が曲の主人公の孫であると仮定した詞の表現になっているようです(原曲の歌詞の出だしでMy grandfather's clockとなっていることからもそれはわかります)。彼はこの曲を早速アメリカに持ち帰り発表したところ、多くの人々の賞賛を得てこの作品はミリオンセラーになったとのことです。


ふるど6

日本はおろかアメリカでもあまり知られていないようですが、「大きな古時計」にはその続編である「大きな古時計 続編(SEQUEL TO "GRANDFATHER'S CLOCK")という曲が存在します。これはワークが1878年に出版した「れっきとした」彼の作詞・作曲による作品のひとつです。

もう一度あの古めかしい家の中をぶらついてみたんだ
私のおじいさんが90年間過ごしたあの古びた家さ
そしたら何か知らない奴が管理していて、
そいつらが変えてしまったことといったらもう

悲しくなって涙さえ出そうになったよ
愛しい古時計よ!やつらがお前を見つけたとき、
お前はおじいさんを失くした深い悲しみでもう動かなくなっていたんだよな
やつらはお前をケースも何もすべて売り払ってしまうつもりなんだ

味気ないお高くとまったやつ(新しい時計)が
(チック・チック・チック・チック・チック・チック)
味気ないお高くとまったやつが壁に掛かっている


ふるど7

第4回「すくらんぶる展」に向けて、「ぎょ(魚)」というテーマに取り組んでいる頃、本屋で「古の時計」シリーズ本を見つけた。その中に「鯉」が刻まれた懐中時計を発見したので、3冊ほど購入したのだが・・・まさか第5回展のテーマが「どきっ(刻)」になるとは予想もしていなかった。不思議な縁というか、赤い糸というか・・・「つくる」ことの「つながり」が結びつき絡み合っていくことの快感を・・・楽しんでいる。