ぎょ(713) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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土用の丑(1)


うし1


■土用(どよう)とは、五行思想に基づく季節の分類の一つで、各季節の終りの約18日間のことである。五行思想では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割当てている。残った土気は季節の変わり目に割当てられ、これを「土用」と呼んだ。平気法においては立夏・立秋・立冬・立春の前の18日間としていたが、定気法を用いている現在では、太陽黄経に基づいて期間が定められている。


うし2


春の土用 : 黄経27度の点を通過する瞬間から立夏(45度)まで

夏の土用 : 黄経117度の点を通過する瞬間から立秋(135度)まで

秋の土用 : 黄経207度の点を通過する瞬間から立冬(225度)まで

冬の土用 : 黄経297度の点を通過する瞬間から立春(315度)まで


うし3

なお、土用は各季節の終りにあるが、一般には夏の土用を指すことが多い。夏の土用の丑の日には、鰻を食べる習慣がある。土用の間は土の気が盛んになるとして、動土・穴掘り等の土を犯す作業や殺生が忌まれた。ただし、土用に入る前に着工して、土用中も作業を続けることは差し支えないとされた。また、下記に示す「土用の間日(まび)」には土用の障りがないとされた。春の土用:巳・午・酉の日/夏の土用:卯・辰・申の日/秋の土用:未・酉・亥の日/冬の土用:卯・巳・寅の日


うし4

■鰻を食べる習慣についての由来には諸説あり、讃岐国出身の平賀源内が発案したという説が一般的であるが、万葉集には大伴家持が、夏痩せの友人に鰻を食べるように勧めている和歌が収められている。江戸時代、商売がうまく行かない鰻屋が平賀源内の所に相談に行った。源内は、「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という民間伝承からヒントを得て、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、物知りとして有名な源内の言うことならということで、その鰻屋は大変繁盛した。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した。この他に、土用に大量の蒲焼の注文を受けた鰻屋が、子の日、丑の日、寅の日の3日間で作って土甕に入れて保存しておいたところ、丑の日に作った物だけが悪くなっていなかったからという説もある。


うし5