■宮城保武
色鮮やかな魚の模様をつなぎ合わせたグラフィックデザイン。
この作品に出会った時、深海を感じたのは間違いではなかった。
夢中になって、シャッターを押し続けている宮城さんの姿が浮かぶ。少しずつ開かれてくる神秘の扉の向こう。グラフィック・アートの世界は、こんなにも身近かなところに躍動していたのか。
デザインの原点はさりげない自然の装いのうちに隠されている。花、植物たち、魚や貝たち、驚愕すべき造型の妙、息をのむ色彩の変化!自然の深みへ対話し続け、知性とインスピレーションを合体させたとき、すでに美のプロセスにある。
作意は不要、開示された美に胸を高鳴らせ輝く生命たちの律動に身をゆだねる。選択を過ってはならない。エコロジーはデザインの原点であり、自然を汚染することは人々の悪しきデザインの所産だ。無限に深まるグラフィック・アートの世界に向って、さらに驚き続けたい・・・と、宮城さんは語る。
特に、この人物の作品はインパクトがある。深海・・・そして「タトゥー」を思わせる。人間の奥の奥の奥にある・・・情念とでも言おうか、その表出を見る思いがする。
「すくらんぶるアートヴィレッジ」は大自然のふところど真ん中に位置している。
自然のふところと私たちのふところが、どういう形で結び・響き合い・・・どんな作品が生まれてくるのか・・・とにかく、楽しみである。