鯉のぼり(1)
■唱歌『鯉のぼり』作曲・作詞者不詳/大正2年『尋常小学校唱歌』
1 甍の波と雲の波、
重なる波の中空を、
橘かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。
2 開ける広き其の口に、
舟をも呑まん様見えて、
ゆたかに振う尾鰭には、
物に動ぜぬ姿あり。
3 百瀬の滝を登りなば、
忽ち龍になりぬべき、
わが身に似よや男子と、
空に躍るや、鯉のぼり。
黄河の上流に竜門という滝があって、鯉はこの滝を登り切るとそのまま大空に舞いあがって竜に変身する、という中国の言い伝えがあり、それにあやかって男児の立身出世を願って鯉のぼりが立てられるようになった。5月の最初の午の日が「端午」のもともとの意味だったが、のちに5月5日を「端午の節句」と称して武者人形を飾り、鯉のぼりを立てて、お祝する風習となった。
■「こいのぼり」作詞:近藤宮子/作曲:無名著作物/昭和6年(1931年)
やねより たかい こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
「鯉のぼり」だけではなく、いろいろな「魚のぼり」があります。