象魚(4)
■ヘラチョウザメ
北米産の一般的にはなじみの無いチョウザメの一種です。ヘラチョウザメは普通に熱帯魚店でも売られているので稀種ではなく、プランクトン食性で比較的おとなしい魚です。中国の「象魚」に似ていますが、違うようです。
■ヘラチョウザメと同じ科ではありますが、中国産のハシナガチョウザメ(シナヘラチョウザメ)は幻の巨大魚の1つだということがわかりました。こちらは凶暴な魚食魚で、中国名は白[魚尋]、やはり「象魚」という俗称だそうです。伝説では7mのハシナガがいたという話もありますが、現実的にはせいぜい2m強ということです。大古には7m級の巨大な魚体が揚子江を荒々しく泳いでいたのかもしれません。揚子江産の魚に共通することは、絶滅寸前の種であり、もうすでに絶滅したかもしれませんが、外見は本物のサメのミツクリザメに印象がよく似ていて、口が飛び出ています。頭部は剣のように尖り、しかもバランスが悪いくらいに巨大です。頭部の剣状の部分の下に感覚器(梅の花状)を備えているように見えます。
これは「ハシナガチョウチョウオ」です。「ハシナガ」とは、「くちばし」が「ながい」という意味なのでしょう。



