醤油鯛(4)
■コレクターの間では「醤油鯛」とも呼ばれており、おそらく筑前屋翫理堂こと沢田佳久さんがその権威だと思われます。昆虫学者でもある彼が、各部位の大きさや角度などを測って、この一見同じにみえる魚型容器を細かく分類しておられます。『STUDIO VOICE』(INFAS)1992年3月号の「カルトの王」という特集で、昆虫採集箱に虫ピンでとめられている魚たちが紹介されました。また、同時期に『サライ』(小学館)でも紹介されました。
私もかなり収集癖があって、これを集め始めるとたいへんなことになると予想されることから、あえて避けて通っているところです。この「醤油鯛」のコレクターはあまり多くはありません。
醤油入れコレクションで有名なのは、横浜・崎陽軒「シウマイ」に付いている「ひょうちゃん」です。
■横浜名物といえば『崎陽軒のシウマイ』。中に入っている磁器製醤油入れ『ひょうちゃん』をヤマキ電器株式会社が生産しています。愛知県瀬戸市はせともの(陶磁器)の産地です。ヤマキは主に絶縁材料の機器碍子を製造しているメーカーですが(実は碍子もせとものなんです)、昭和22~23年ごろ取引先の東京の陶磁器問屋さんから、『崎陽軒の醤油入れを作ってくれないか』との話があり、素材が磁器で碍子と同じということから作り始めました。
当初、醤油入れの表面にマンガの顔はなく真っ白で質素なものでしたが、昭和30年ごろ 漫画「フクちゃん」で有名な漫画家の横山隆一さん(故人)のマンガ入りで48種類の多彩なものへとなりました。そして昭和63年、崎陽軒の創業80周年を記念して、「オサムグッズ」でおなじみのイラストレーター・原田治さんのデザインで生まれ変わりました。





