春はサクラ(4)
■「桜錦(サクラニシキ)」 平成8年に愛知県弥富町の伊藤恵造氏により発表され、日本観賞魚振興会の理事会において新品種として承認された新しい金魚です。金魚日本伝来500年の歴史から見れば、非常に新しい金魚であると言えます。
作出は、愛知県弥富町の深見光春氏で、浅葱色と黒の混じらない色の美しい江戸錦とランチュウの戻し交配を行い、昭和45年から10年の歳月をかけて固定化に取り組み、成功したのが始まりです。当初は江戸錦のハネモノ(出来の悪い金魚)として扱われていたようですが、固定化の過程で形、色にも磨きをかけていき、素晴らしい品種へと変身を遂げました。淡いピンクが桜色に見える事から「桜錦」と名付けられ、発表後一躍人気品種になったことから、この後に発表された同様の体色を持つ新品種には、「サクラ~」という品種名が付けられるようになりました。(但し、一般的な金魚屋さんにはなかなか流通していないのが現状です)
■ワカサギ(若鷺・公魚・鰙)地方名:アマサギ(宍道湖)、サクラウオ(茨城)、メウオ、メソグリ、シラサギ、サイチカ(群馬)、マハヤ(千葉)
極寒の中 氷の張った池や湖に出て、開いた穴から釣り糸を垂らして釣るワカサギ釣りには北海道や本州の山間部の湖の冬の風物詩である。ワカサギの味は淡白の一語につきる、全くバター臭さがない。桜の頃に孵化した稚魚の漁が秋から始まる。秋の深まりと共に脂がのり、真冬には身がしまって適度に脂も落ちる冬から春先が旬。全長約10~15cm。ほっそりした体で背側は淡い黄灰色、腹側は銀白色。体表に墨色の線がある。1年で成魚となり、春に川を遡上して水草などに卵を産みつけ、一生を終える。越年したワカサギは20cmほどに大きくなり、大公と呼ばれる。ワカは「わく(湧く)」に由来、サギは多いことを意味する。もう1つは「ワカ=幼い・清新」と「サギ=細魚・小魚」の合成語。公魚の字を当てるのは、江戸時代霞ヶ浦産を将軍家に献上していたことから。よく似た魚にチカがあるが別種。背びれの後方にある小さな脂ビレがあるのが、アユやシシャモとともにサケの仲間である証拠。寿命は1~2年、長くて3年。1月の産卵期が一番旨い。
■桜魚 「桜の時期に獲れる魚のこと」を言うそうで、一般的にはワカサギやアユの稚魚を指す。
■サクラエビ(桜海老)Sergia lucens エビ目(十脚目)・サクラエビ科に属するエビの一種。深海に生息する小型のエビで、駿河湾岸では食用に漁獲される。なお、シラエビは外見も生態もサクラエビに似るが、エビの分類上では全く別の系統に分けられる。成体は体長40mm前後。体は透明だが甲に赤い色素を多く保持し、生体は透き通ったピンク色に見える。「桜海老」の和名はここに由来する。2対の触角のうち第2触角は体長以上の長さがあるが、額角は短い。5対の歩脚のうち、第2・第3歩脚が鋏脚に変化し、第4・第5歩脚が短い。体表には約160個の発光器官が並んでいる。駿河湾及び近接の東京湾、相模灘に分布するが、漁獲対象となっているのは駿河湾のみである。また、台湾東方沖にも生息する。深海の中層を群れで遊泳する。昼間は水深200mほどにいるが、夜には水深20-50mぐらいまで浮上する日周鉛直運動を行う。
海中を浮遊するプランクトンやデトリタスを捕らえて食べる。一方、天敵は人間の他、外洋性のハダカイワシやイカなどがいる。産卵期は夏で、メスは交尾後に1700-2300個ほどの卵を海面近くの海中に放出する。寿命は15ヶ月ほどで、孵化後1年で成熟し、産卵後2~3ヶ月でその生涯を終えるとされる。
■サクラダコ(標準和名:ミズダコ)
他のタコに比べ、赤茶色をしており、茨城沖を南限とする冷たい海に生息し、北海道では北海ダコとして有名。日立で水揚げされるサクラダコは全長40~160cm、重さ5~10kg前後。全長3m、重さ20kgを超える世界最大級のタコもいます。