ぎょ貝類(14)
■アコヤガイ(阿古屋貝・阿古耶貝)(akoya oyster)(学名:Pinctada fucata)
日本産、中国産海水養殖真珠の中心的真珠母貝。現在養殖真珠事業に於いてはアコヤガイ自体をも養殖している。熱帯-温帯と広く分布する二枚貝。古今和歌集には既に「あこやだま」の記述がある。
アコヤの語源は諸説有り定かではないが、日本書紀通証(にほんしょきつうしょう)、任訓栞(わくんしおり)などの記述には、我が子(あこ)に対する呼びかけ(や)、あるいは奥州(現在の東北地方に相当)、または知多(現在の愛知県知多郡)の産地とある。また英虞湾(三重県。真珠養殖事業が営まれている)が訛ったとの説もある。
この内、東北地方はアコヤガイが生息できる北限以北であるから除外できる。以前はPinctada martensiiがアコヤガイの学名であったが、調査によりベニコチョウガイ(Pinctada fucata)と同種であることが分かり、国立真珠研究所では、昭和44年、Pinctada fucataに学名を統一した。
■阿古屋 現・愛知県知多半島・半田市の古称らしいが、実際に半田市のどの地域をそう呼んだのかは明確にされておらず、当初阿古屋とされたところで良く採種されていたのが阿古屋珠だったらしい。が、この阿古屋珠、一応真珠層らしきものはあったとされているが現在「真珠」と呼ばれているものと同一のものだったかどうかは定かではないらしい。
当時「阿古屋珠」とされたものと真珠が似ていた(又は当時の阿古屋珠=真珠)事から名前の由来は半田市の古称から来ているようだ。