ぎょ(452) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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魚ニメーション(3)


わに1


●「THE OLD CROCODILE―年をとった鰐」

フランスの名作、レオポルド・ショヴォーの傑作「年をとったワニの話」をアニメーション作家、山村浩二が映像化に挑んだ意欲作。禅の如きシンプルで絶妙なタッチが見事に鰐の心理を描き出す、少々苦い、大人の寓話。


わに2


若い頃、ピラミッドが建つのを見たほど年をとった鰐は、今やリュウマチに蝕まれ、もう魚もとれない。心の底から嫌気がさした時、鰐は自分のひ孫を食べてしまう。


わに3


もう何千年も生きてきて、とても尊敬されていたはずなのに、一族は、彼の死刑を決めた。子孫達が、自分を尊敬しなくなったのにたえきれず、鰐はひとりナイルを去る。


わに4


鰐はある日タコと出会う。


わに5


彼女は、せっせと魚をとってきては鰐に与える。


わに6


ある晩がまんできずに、隣に寝ているタコの足を一本食べてしまう。年をとった鰐は、それから毎晩、1本ずつタコの足を食べはじめる・・・。


わに7


■原作:レオポルド・ショヴォー
1870 年、リヨンに生まれ、のちにパリに出て医者となる。アルジェリアでの農園経営、軍医などをへて、第一次世界大戦後は創作活動に専念。多数の小説を発表する一方、塑像や絵画も制作。『年をとったワニの話』を含む「ショヴォー氏とルノー君のお話集」シリーズは自ら挿し絵も描き、ユーモアと機知に富んだ独自の世界を築いた。 1940 年没。『年をとったワニの話』は、日本では昭和 16 年、山本夏彦訳で櫻井書店からはじめて出された。(『年を歴た鰐の話』として文芸春秋社から完全復刻されている)現在本国フランスでは忘れられた作家だが、日本では現在も福音館書店から『年をとったワニの話』を含む「ショヴォー氏とルノー君のお話集」シリーズ全5巻(出口裕弘訳)が出版されており、隠れた人気を保っている。


わに8


■演出・アニメーション:山村浩二(アニメーション作家)
1964 年 名古屋市 生まれ。1983 年東京造形大学絵画科入学。在学中、劇場映画の美術助手、特殊造形に携わる。1987 年東京造形大学絵画科非具象コース卒業。同年、ムクオスタジオ (有) 入社。1989 年ムクオスタジオ退社後、アニメーション作家としてフリーに。1993 年ヤマムラアニメーション(有) 設立。2002 年よりアクメフィルムワークス(米) の契約監督。多彩な技法で短編アニメーションを制作。『頭山』(2002) がアニメーション映画祭の最高峰、アヌシー2003(仏)はじめザグレブ(クロアチア)広島の世界 4 大アニメーション映画祭の 3 つでグランプリを受賞、第75回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされる。国際映画祭での審査員、講演、ワークショップ等、アニメーション芸術の普及、振興に勤めている。代表作は他に『カロとピヨブプト』『パクシ』『バベルの本』『年をとった鰐』など。その作品は、全世界の映画祭で上映され、各国の映画際で回顧個展プログラムも多数組まれている。国際アニメーションフィルム協会日本支部理事、日本アニメーション協会理事、東京造形大学客員教授。


わに9


とてもとても切なくなります。「生きる」ことと「食べる」ことと・・・