うるうぉい(12)
「金子みすヾ」さんの詩の中に「とびうお」が登場したので・・・
■川端龍子 大正時代から昭和40年代にかけて活躍した日本画家です。明治18年に和歌山県で生まれ、35歳の時から東京・大田区大森で暮らしました。1913年洋画を学ぶためアメリカへ渡りますが、この渡米が契機となり、翌年の帰国後日本画へ転向し、画家としての地歩を固めていきました。しかし当時の日本画の主流であった「繊細巧緻」な画風にとらわれることなく、次々に奇抜で豪放、大画面の超大作を生み出し、展覧会という「会場」において、観衆である大衆に訴える力を持つ作品を指向しました。この大作主義による「会場芸術主義」を掲げ、さらなる表現の場を求め、1929年、自ら日本画団体「青龍社」を創設しました。
●「仮装・不動明王」 不動明王がカッパの仮装をした姿を描いた作品。龍子は不動明王を自らの守り本尊として崇拝していたという。
●「獺祭(だっさい)」 真ん中に僧侶の衣装を纏って座っているのは獺(かわうそ)。獺は水中で捕らえた鯉や鯰をすぐには食べずひとまず、岸に並べておくという習性があり、これを獺魚を祭るという。それで魚が獺の前に並べられている。獺を僧に仕立てているのが面白い。
日本画の世界というのは、油絵以上に自由奔放・・・いや型破りかもしれない。
デッサンありデザインあり、写実ありシュールあり・・・