ぎょ(327) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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河童と魚(6)


おがわ6


昭和12年に旧居宅(草汁庵)の前に、妻「こう」と長男「修一」の意向でアトリエが新築された。これが右の写真の「雲魚亭」であり、現在は芋銭記念館となっている。当時芋銭は居宅兼アトリエとして古希記念新作展覧会・河童百図の準備にあたった。昭和13年(1938)1月入浴中脳溢血で倒れ以後平臥静養となり一時は回復に向かったが、同年12月17日に永眠した。倒れてからは再び筆を持つことはなく、71歳(満70歳)の輝かしい生涯を閉じた。


おがわ7


●河童を描くにあたって、芋銭の言葉

河童の眼を描くのはむつかしい。支那の画人で有名な人も一番あとで描入れたと言ふ。河童の眼は、まぽろしを持って居ねばいけない。まぽろしとは河童のこころを出すのであって恰度霞の中にぴかりと光るやうな鋭さがなければいけない。このこころもちで描くとよい。最初薄墨で描いて、追々濃くしていく、そして終りに瞳を入れる。二三年前も私はこのことを柳月君に教えたと思ふ。そして眼は大きくならぬ方がよい。


おがわ8


おがわ9


おがわ10

さて、次の小川芋銭さんの作品を見て何か気がつかないだろうか?


おがわ11

私には、どう見ても「魚」だと思えてならないのだが・・・