中華魚(3)
こんな鍵を見たことありますか?時代劇を見ていると、蔵や牢屋の鍵をあけるシーンが出てきますが、必ずと逝っていほど、このような鍵です。
魚かな?と思ったのですが、この鍵は「龍」のようです。しかも、番号合わせ型です。この鍵の場合は、漢字を合わせると開くようになっています。
■中華海老錠
日本に始めて輸入された錠前はこの形でした。今でも神社仏閣などにはこの形の鍵が使用されています。そのルーツは奈良朝の頃(7~8世紀頃)に唐から伝来した海老錠とされ、錠本体にコの字型になったカンヌキをさし込むと、本体の中でバネがパチンと広がって引っかかり、カンヌキが抜けなくなるという構造をしていました。これを開錠するには本体の反対側から棒のような姿の鍵をさし込んで、本体の中で広がったバネを縮めてカンヌキを抜き取るという仕組みになっています。
やっぱりありました「魚」型の鍵。
これらの「蝦錠」はその後、江戸錠、阿波錠、土佐錠、などと全国で大小沢山作られ、大は蔵の戸から小は仏壇の逗子の扉などへと大変普及したものでした。ちなみに唐から伝わった「海老錠」は今も正倉院の御物として保存されています。魚は水を象徴し、火難除けの意味も在りました。また、中国語で「魚」は「余(余りあり)」と発音が同じで、富と裕福の象徴としてありがたがられました。




