探し物がある時、私の頭の中はそのことで一杯になります。そして、探し求めている時間は、とても充実しています。「眼」も「心」も研ぎ澄まされている自分を感じます。
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「金魚掬いに裏の蓮池へ行くから、ついておいで」
「えっ。金魚掬いなどと、そんな呑気な」
「いいから。ついておいで」
観音がすたすたと歩き出したので、悟空もしかたなくついて行く。
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そうです。筒井康隆さんの「魚籃観音記」をようやく購入しました。
近頃では気力も体力も弱ってきたので、ネットで本を買うことが多くなっていましたが、久しぶりにこの本を求めて「本屋・古本屋」をうろつきました。
今までにも様々なコレクション本が出版されていることは知っていました。郷愁の懐中時計コレクション「甦る古の時計」というのが出ているのは知りませんでした。そこで、1冊手にとって見たのです。それが大ヒットでした。1895年型「風雅」には「鯉」が刻まれていたのです。
当然、即買いです。しかも、それ以外のものも含めて「3冊」買いです。
解説には・・・
この時計のモデルは江戸期に武士や一部の豪商が腰に差していた刀剣用の付属品を製作していた白金師や、煙管金具、女性の着物の帯止めを造っていた職人達が、明治の廃刀令による需要の低下や生活習慣の変化などで仕事が減り、生活の手段として時計や付属品の細工仕事に流出していった事により生まれたものである。
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時代は変化し、用いられ方は様々であるが、職人達のしたたかさ・たくましさ・こだわりを再認識させられる。「物」ある限り「職人」は不滅である。現代に通用する、新しい時代の職人を育てることも、私たち図工美術教師の使命ではないだろうか。
良い発見・出会いがあった時は、さらに重なるものである。この時も・・・
大好きなグラフィック・デザイナー、福田繁雄さんの「視覚トリック」という本を発見しました。
■福田繁雄(1932 - )
グラフィックデザイナー。東京都出身。東京芸術大学図案科卒業。1981(昭和56)年東京芸術大学助教授。1997(平成9)年紫綬褒章受章。東京国立近代美術館運営委員。日本グラフィックデザイナー協会会長。単純化された形態とトリックアートを融合させたシニカルなデザインが特徴です。
「タングラム作品:はと」
与えられた幾何学的な形を組合せて、具象的な形を作る(タングラム)は数学遊びの歴史の中でも、最も古いパズルゲームといわれています。今日でも創造性を育てる知恵の遊具として親しまれています。この壁画は平和の心(ハートの形)を10分割して、まったく違った58種類の鳩を組合せてつくり、構成した作品です。平和を願う心のメッセージを世界中に運んでほしいと願いを込めたデザインです・・・平成11年春。
tangram(タングラム)中国のパズル遊びの1つ。知恵の板。正方形の板を切って3角形5、正方形1、長斜方形1の7個に分け、さまざまな形に並べ換えて遊ぶ。