ブリキの魚(5)
さて、ブリキからどんどん離れていきますが、金属つながりということで今回は「時計」です。
■「レイ」 カルバンクライン「ray」とは、魚の「Stingray = エイ」をイメージしてデザインされたことからのネーミングです。アーチ型にカーブしたステンレススチールの繊細な薄い円はパーフェクトな腕へのフィットを可能にしました。
■「IWC(International Watch Co.)」 IWCの時計のリューズに刻印されている、かわいらしい魚のマーク。この一筆書きで描かれたマークには、非常に興味深い秘密が隠されています。
まずこのマークは、防水時計であることの証です。しかし、ポルトギーゼ・クロノ・ラトラパントや、一部のモデルは、防水時計でありながら、魚のマークが刻印されていません。これは、魚のマークが刻印されているものは、実際に水を使って防水検査がなされ、最低3気圧の防水能力が保証されているということの証です。それに対して、このマークが刻印されていないものは、空気圧による検査のみしかされていないので、「たとえその時計が、防水時計であっても魚のマークをつけるわけにはいかない。」というものです。
よく考えてみると、魚は空気中では生きていけません。このように、なにげないマークや刻印にもそれなりのストーリーがあるものです。