ぎょ(154) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

深海(3)

■マッコウクジラは、クジラの中でも最も深く、長く潜る種のひとつです。彼らは餌である深海に棲むイカなどを食べるために、頭を錘(オモリ)のようにして1000mを超える深海に潜っていきます。捕鯨が盛んだった頃の食性研究から、マッコウクジラは我々が普段目にすることの無い深海の大型イカ類を大量に捕食していることが明らかにされました。しかし、食べられている大型イカ類に関しては、その生態や分類さえほとんど何も分かっていません。


まっこう1


■マッコウクジラは抹香鯨と書く。腸内より竜涎香という麝香に似た香料が取れる。体長は約20メートル。世界中の暖流中にすみ、日本近海でも見られる。このマッコウクジラの皮膚には丸い紋様がいたるところについている。この丸い紋様は最近になって、ダイオウイカの吸盤の痕であることが解った。ダイオウイカは深海に住む巨大なイカである。体長は18メートルにも及ぶことがあり、ニュージーランド沖で1887年に発見された。目玉の大きさは25センチであり、地球上の生物のなかで、最大である。スカンジナビアには深海にひそみ、海面に現れては漁船を水中に引きずり込む怪物の伝説があったが、19世紀になって、それが巨大なイカであることがわかってきた。時おり、海面に漂っていた死体によってこのダイオウイカの実在が確認されるようになったのである。このダイオウイカの天敵がマッコウクジラなのである。雄のマッコウクジラは深海に潜って、このダイオウイカを丸ごとのみこんでしまう。シャチやサメも海面のダイオウイカを襲うことはあるが、習慣的に深海まで出かけてダイオウイカを捕食する動物はマッコウクジラだけである。そして、マッコウクジラの皮膚に刻まれている丸い紋様はダイオウイカとマッコウクジラとの壮絶な死闘の痕跡なのである。マッコウクジラは一日一頭のダイオウイカを食べると言われている。人間の目にはまず触れない深海で巨大な動物同志の戦いが毎日行われている。


まっこう2

■ダイオウイカは世界のあちこちで死骸が発見されていますが、どの位大きくなるものなのかはあまり定かではありません。一説には20mをこえるものもあったとか。正確に分かっているものでも1993年にノルウェーで体長13mのものが報告されています。世界各地に巨大イカ(クラーケン)の伝説がありますが、そのもととなっているのはダイオウイカだと思われます。このダイオウイカ、生態もほとんど分かってはいません。マッコウクジラの胃の中から発見されていることから、おそらく深海200-1000m位に生息しているといわれています。世界中にどの位いるのか、何種類のダイオウイカがいるのかなど謎だらけの生物いってもいいでしょう。おそらく平均寿命は2-3年で、一度子を産むと死ぬのではといわれています。ただ、その程度の年数でどうしてそこまで大きくなれるのでしょうか。


まっこう3