鱗話(3)
「空」のつぎは「陸」です。私たちの住む「地上」のウロコは・・・
■三角文
原始時代から古墳時代にかけて造形活動の素材の中心は石と土でした。原始美術や古墳時代の美術はまさに、石と土の美術といっても過言ではありません。木や紙・金属が造形活動の素材の中心となるのは仏教が伝来した、飛鳥時代以降です。石と土の文化の代表が古墳です。
石を組みあわせて造った石室(多くの場合そこには石棺が納められている)を土でかぶせ、葺き石で覆った巨大な古墳が日本各地に作られました。そしてその上には古墳時代の美術の代表といえる土器の埴輪が置かれています。
熊本・福岡・佐賀には、王塚古墳・竹原古墳・チブサン古墳と日本を代表する装飾古墳があります。三角文は、この時期の倭風の大刀の外装にも見られることから、同心円文や蕨手文と同じように邪悪なものを防ぐ意味があったのではないかと考えられています。


