魚の絵(7)
以前、「浮世絵」の項で現代の浮世絵師として米倉斉加年さんを紹介したが、もう一人どうしても紹介しておきたい人がいる。
伊坂芳太良、通称『ペロ』。1928年、神奈川県生まれ。
1950年代後半から、東レの広告、エドワーズのノベルティなどの仕事が高い評価を受け、売れっ子イラストレーターとして名をはせる。1968年の創刊から、ビッグコミックの表紙イラストを担当。
雑誌、書籍、新聞、ポスター、カレンダーなど幅広い分野で活躍。1960年代を彗星のように輝きながら駆けぬけていったイラストレーター・ペロ。60年代を風靡したサイケデリックアートをネオクラシックに仕上げながら、日本の“粋”を巧みに交錯させ、Peroスタイルを確立しました。1970年、意欲的に制作を続ける中、42才の若さで急逝。
その華麗でカラフルで遊び心とユーモアのセンスに溢れたイラストは時を経てなお、その斬新さにひきつけられます。
彼が亡くなってからビッグコミックのキャラクターは「顔(伊坂氏デザイン)」から「なまず」に変更され、現在まで表紙イラストレーターが変わろうとも続いている。