ぎょ(103) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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神の魚(3)

神の魚「バラマンディ」。バラマンディとはオーストラリアの先住民族アボリジニの言葉で「大きな鱗を持つ魚」という意味。そしてアボリジニの間ではその昔から「神の魚」と呼ばれ、崇められていました。最大2mくらいにまで育つ、スズキのような魚です。日本では四国の四万十川にだけ生息する<アカメ>という魚が非常に近く、白銀の巨体に赤い目が特徴。銀色に輝く鎧のような鱗をまとい、ルビーのように怪しく赤く光る目を持つ。獰猛かつ果敢で、人間のこぶしが2つくらい入る大きな口で、中小の魚はもとより、水鳥達を襲って食べることもあります。バラマンディの生息域は広く、海水域、汽水域、淡水域どこにでも生息します。また、小魚を捕食するフィッシュイーターのため、ルアーフィッシングのターゲットとして、オーストラリアでのゲームフィッシュの最高峰としてあがめられています。


バラマンディ1


アロワナについて・・・現在、アロワナは、南米大陸のシルバーアロワナ、ブラックアロワナ、オーストラリア大陸・ニューギニアに、ノーザン・バラマンディ、スポッテッド・バラマンディ、そして、マレーシア、インドネシアにアジアアロワナの5種類が知られています。また、アロワナに近い仲間として、淡水魚で最大に成長すると言われるピラルクーや、ナイルアロワナ、ショップなどでも、お馴染みの、ナイフフィッシュ、バタフライフィッシュや、エレファントノーズの仲間も含まれています。これらの、魚の祖先の起源については、まだまだ不明な部分も、多いのですが、地球上の大陸が、まだ1つの超巨大大陸、パンケア超大陸だった約2億5千万年前にまで遡ると、言われています。その後、中生代になって、この大陸は分離を始め白亜紀には、現在に近い大陸が形成されますが、1億数千年前の、この時代には、今のアロワナの直接の先祖と思われる原アロワナ目の最古の化石が発見されていて、すでに、地球上に生息していたことが証明されています。


バラマンディ2


オーストラリア最大のマレー・ダーリング川の「マレーコッド」は、オーストラリアの伝説的巨大魚として有名で、アボリジニ語では大きな魚を意味する『グードゥー』と呼ばれます。この偉大な魚が、しっぽを雄大に振りながら海へ向かい、3,000km以上も続くマレー・ダーリング河のカーブを形創っていったと言われています。


グードゥー


アボリジニの創造神話では、地球上の三つの種についての記述があります。-それは、動物、鳥、そして魚です。カモノハシは、動物のように毛におおわれ、鳥のようなくちばしも持ち、魚のように水中を泳ぎますが、そのどれにも属しません。その昔、全ての特徴を持つカモノハシは、動物、鳥、魚それぞれから、仲間に入るよう誘われますが、そのどれにも属しませんでした。それは全ての生き物が平等であることのユニークなシンボルです。


カモノハシ


アボリジナル・アートというと細かい点で描かれた点描画が有名ですが、200以上の部族が点在するオーストラリアには実は様々なアボリジナル・アートがあります。主なアートには下記のようなものがあります。

1.点描画(Dot Painting)

その昔、中央オーストラリアの砂漠地帯に住むアボリジニが食べ物や水、動物の在処などを示すのに幾何学的な模様を地面に描き、地図の様に使っていたものです。近年ではキャンバスに描き、この点描画が誕生しました。

2.樹皮画(Bark Painting)

北部、アーネムランドのアボリジニが樹の皮を剥がして、そこに鳥や動物、精霊の絵を細かい線で描いたものを樹皮画といいます。樹皮画の中には線を交差させて陰影を付ける「クロスハッチング」という画法もあります。

3.X線画(X Ray Painting)

主に北部の壁画に見られる画法で、骨や内蔵までをまるでレントゲンでとったように描いたものをX線画といいます。これは「この動物のここが食べられる」とか「ここは決して食べてはいけない」などということを伝達するために用いています。この画法が遥か昔から用いられていたことは驚きです。

4.その他

西オーストラリア北部キンバリー地区の画法もまた他の地域と違う独特な画法です。また同じ北部オーストラリアでもTIWI島に住むTIWI族は他の部族にはない、トーテムポールに独特の線画を描きます。中央オーストラリアでは焼きごてで彫像物に模様を付ける方法もあります。そして伝統的な画法を守り続ける一方で、新しい画法やタッチを意欲的に取り組む若いアボリジニのアーティスト達も増えています。


アボリジニ


ディジュリドゥ(Didgeridoo またはDidjeridu) は、5~6万年前からオーストラリア大陸で生活していたといわれる先住民アボリジニが今から1000年以上も前(2~3万年前という説も)から使い始めたと言われる楽器です。世界最古の管楽器ともいわれていて、伝統的には儀式や祭事の時に、ソングマンの唄の伴奏の楽器として使われています。ソングマンが叩くクラップスティックのリズムに合わせて演奏します。古くからディジュリドゥが使われるのは、オーストラリア北部のアーネムランドなどの地域で、その他の地域のアボリジニが使うようになったのは近年になってからのことです。またアーネムランドのアボリジニ社会ではディジュリドゥは男性が生み出した楽器とされ、最近では女性のアボリジニがペイントしたり制作したりすることもありますが、原則として女性が演奏することがないのが一般的。


イダキ1


ディジュリドゥという呼び方はアボリジニの言葉のような感じがしますが、実は白人であるHerbert Basedowという人物によって1926年に付けられた呼び方で、音色が「ディジュリドゥ~、ディジュリドゥ~」と聞こえたことから名付けられた名称です。またアボリジニの言葉では地域によって様々な呼び方があります。北東アーネムランドでは「Yidaki(イダキ)」、西・中央アーネムランドでは「Mago(マゴ)」、その他にもYiraga (イラガ)、 Lambilbil (ランビルビル)、 Kenbi (カンビ)など地域、言語によって様々な名前があります。またアーネムランドではディジュリドゥ全般を指して「Bamboo (バンブー)」と呼ぶこともあります。近年、伝統的な制作者が減少してきていますが、特に北東アーネムランドには現在でもイダキに関する文化が色濃く残っています。


イダキ2


ペイントされたものが一般的ですが、彫刻されたものもありました。


イダキ3