ブリキ話(9)
「缶詰」と言えば・・・アンディ・ウォーホルを忘れていました。
ご存知「キャンベスープ」缶です。魚と関係ないじゃないかとお怒りの方がおられるかもしれませんが、ご安心ください。この缶詰をモチーフに作品を世に送り出した偉大な作家は・・・アンディ・魚(ウオ)ホルなのですから。
ウオホルは子どもの頃、毎日毎日キャンベルのトマトスープを飲まされたそうです。
もちろん味はいろいろありますが、毎日毎日眼にするこの赤と白の缶ラベルは彼の心にしっかりと刻みこまれたわけです。
このデザインはキャンベルの役員か誰かがラグビー・ファンだったらしくラガーシャツの色そのままをデザインにしたということです。シンプルでインパクト、広告の原点です。
ウオホルがこの作品の展覧会をやった時、向かいのギャラリーが本物のキャンベルスープを積み上げて販売したという逸話もあります。それほど、センセーションな出来事であったわけです。しかし、その作品に描かれているものはセンセーションでもなんでもなく、ひたすら私たちが日常眼にしているものであり、芸術とは無縁のもののように思われているものなのです。
彼は単品の作品も作っていますが、私はこの「100缶」が好きです。彼の作品は日常ありふれたもののコピーであって、日常だからこそ日々繰り返されイヤというほど私たちにインプットされた情報・・・だから彼の作品としても「連発・連続」された作品こそがウオホルらしいと勝手に思うのです。マリリンモンローの作品もそうです。その精神を私たち後続の者たちこそがさらに発展させなければなりません。コピーのコピーのコピー・・・遺伝子情報が代々受け継がれてきたように・・・芸術のDNAを絶やしてはならないのです。ということで、もちろん私のパロディ魂がだまっていないというわけです。
そう、第3号缶詰のラベル・デザインはアンディ・ウオホルに捧げます。
どこがどうパロっているか、わかりますか?結構苦労したんですよ。