さて、そろそろ作品づくりの話をしなければならないのですが、第3回「すくらんぶる」展では共通アイテム「蝶」ということで、ついつい調(蝶)子にのって多くの作品を作りすぎて、展示に苦労しました。幸い、ほとんどの作品をもらっていただいたので、スッキリはしましたが、第4回展では同じことにならないようにと押さえてかからなければなりません。とは言うものの、次から次へと湧いてくるアイデアやイメージはとめどがありません。「すくらんぶる」に関係なく、これまでに制作した「魚」作品をまず紹介しておきましょう。
「まいなすの絵画」と名付けた教材です。描くことを苦手とする子どもたちは、すぐに消しゴムを使いたがります。描くことの楽しさを味わうこともなく・・・そこで、「消す」ことを中心にした表現方法として考え付いたものです。まず、画用紙を鉛筆で真っ黒に塗りつぶします。結構子どもたちははまってくれます。とにかく、真っ黒にするだけですから・・・みるみる鉛筆が短くなっていくのも楽しいようです。描くという行為が視覚的に確認できるのも大切なことだと思います。手も真っ黒になります。次に形を消していくわけですが、やはり苦手な子にとっては手がすくんでしまいます。型紙を多用することにしました。一つ形をつくれば、ステンシルのように繰り返し使えるわけですから、ストレスは軽減されます。また、消しゴム以外のいろいろな道具や方法を工夫させます。楽しいのは、粘着性のシールやセロテープです。押し付けるだけで鉛筆の粉がへばりついて、結果として白くなるわけです。パンチの穴なども型紙として使えます。水玉模様が簡単にできます。シャーペン全盛時代だからこそ、鉛筆の良さを知る教材だと自負しています。
アクリル板を使用した作品です。透明であることを生かすためには「魚」がふさわしいと思い、試作してみました。線描と面塗りを表裏両面から描き、さらに水の表現として絵具をこすりこみました。透明板ですから、飾る壁面の色や模様が作品に反映しますので、飾る場所によって変化を楽しむことができます。
以上2点を第3回「すくらんぶる」展に参考として展示しましたら・・・すでに欲しいという声(予約)がありました。第4回展への期待がふくらんでいます。