私の蝶書(98) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

映画「パピヨン」との出会いは私にいろいろな影響をもたらした。

まず主演マックゥィーンを上回る演技をしたダスティン・ホフマン

にほれ込んでしまったこと。さらに脱獄途中に立ち寄った島での

ハンセン病患者とのやりとり、自分自身その後近い経験をする

ことになった。そして、もちろん「蝶」である。

■パピヨン(1973フランス映画)監督:フランクリン・J・シャフナー/原作:アンリ・シャリエール/脚本:ダルトン・トランボ/ロレンツォ・センプル・ジュニア/撮影:フレッド・J・キーネカンプ/音楽:ジェリー・ゴールドスミス/出演:スティーヴ・マックイーン、ダスティン・ホフマン、ロバート・デマン、ウッドロー・パーフリー、ドン・ゴードン、アンソニー・ザーブ/時間:2時間31分

胸に彫られた蝶の刺青があるところから、パピヨン(S・マックイーン)と呼ばれた男が、大勢の囚人と共にフランスの刑務所から、南米仏領ギアナの監獄に送られたのは肌寒い夜明けのことだった。罪名は殺人だが、本当にやったのは金庫破りにすぎない。国籍剥奪の上、二度と生きては帰れぬ“生き腐れの道”へ追放されるのは納得できなかった。灼熱の海を渡る船中で、パピヨンはルイ・ドガ(D・ホフマン)を知った。フランス中を混乱させた彼の罪状は国防債券偽造。パピヨンは、脱走に必要な金を工面するために、ドガの金を狙う囚人から彼の生命を守ることを約束する。夜蔭に乗じてドガを襲った二人の男をナイフで仕末して、二人の仲は深まった。ギアナに到着して、サン・ローランの監獄に放り込まれた二人は、獄吏の買収に失敗し、ジャングルの奥の強制労働キャンプに送られる。ワニが棲む沼地での材木切り出し、粗悪なねぐら。囚人たちは次々に死んでいった。数日後、ヘマをして看守に殴られるドガをかばったパピヨンは、銃弾を浴びせられ、川へ飛び込んで逃亡を計る。だが、無計画だったために捕まり、二年間の島送りとなった。サン・ローラン西方の沖合いにあるサン・ジョセフ島の重禁固監獄は“人喰い牢”と呼ばれる恐ろしい独房だ。吸血コウモリとムカデの住みかで天井は鉄格子。陽はまったくあたらず、ひとかけらのパンとスープしかあたえられず、囚人たちは次々に死んでいく、暗黒の墓場だ。ムカデ、ゴキブリをスープに入れて、餓死寸前のところでパピヨンは二年の刑を終えることができた。サン・ローランに戻ったパピヨンは、ドガの助けを借りて、クルジオ(W・パーフリー)、ホモのマチュレット(R・デマン)と共に脱獄を試みた。クルジオは捕えられたものの、三人は遂に自由の世界に降りたった。ジャルグルでは、奇怪な刺青の男に救われ、さらに、ライ病患者の首領トゥーサン(A・ザーブ)にヨットを与えてもらい、コロンビアとおぼしき海岸にヨットをつけることができた。しかし・・・

映画パピヨン